三ツ沢上町にある妙深寺(長松清潤住職)の僧侶らが12月11日、岩手県大船渡市盛町のアートスタジオ「来渡ハウス」で法話や被災者との語らいを提供する「坊主バー」を行った。これは、東日本大震災直後から続けている被災者支援で、毎月11日の月命日に合わせて現地に出向いている。「坊主バー」は、もともと同寺で毎月行っている取り組みだ。
大船渡市で行う「坊主バー」は被災者の心のケアが目的。震災後の5月から「ふんばろう東日本プロジェクト」の一環で運営されているアートスタジオ「来渡ハウス」で行われている。
毎月の月命日(11日)に合わせ、妙深寺の僧侶3〜4人が現地を訪れて被災者の話に耳を傾けている。僧侶の阿部信仰さんは、「よそ者だからこそ吐き出せることもある。毎月行くことで、少しずつ本音を話してもらえるようになってきた」と話す一方、「なかなか足が向かない人も多い。周辺の仮設住宅を回ることも考えている」と課題も口にする。
寺に親しみを
本家の「坊主バー」は毎月寺の一室で行われている、今年で8年目になる取り組み。先代の住職が「閉鎖的だと思われがちな寺のイメージを変えたい」との想いから構想を練り、その遺志を継いだ阿部さんらが実現させた。「寺に親しみを持ってもらい若い人でも気軽に足を運べるようにすること」「人の話(体験談など)を聞く場を提供すること」「新たな人脈を築く場となること」を目的とし、信者に限らず地域住民に開放している。
訪れるのは主に30〜40代の社会人で、中には地域のママ友同士や過去に事故で大けがを負ってしまった人、外国人、家族連れなどもいる。落ち着いた雰囲気の店内で、それぞれ僧侶やほかの客との会話を楽しむ。毎回20人〜30人ほどの客が訪れ、そのうちの半分ぐらいが信者ではない一般客だ。
子どもを連れ、ママ友と毎回のように訪れているという女性は「気軽に来れる雰囲気が良い。仏教の押しつけもなく、聞き上手だから毎回すっきりした気持ちで帰れる」と喜ぶ。
阿部さんは「寺も閉鎖的ではいけない時代。もっと地域に開いて、仏教を知らなかった人たちにも知ってもらいたい」と話している。
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