白幡西町在住のプロボクシング日本王者・大平剛(おおだいらごう)選手(30)が12月31日、IBF(国際ボクシング連盟)、WBO(世界ボクシング機構)の世界ミニマム級(47・6kg以下)王座決定戦で世界王者奪取に初挑戦する。年の瀬の恒例行事となったスター選手が集う格闘技の大舞台を前に、大平選手は「ついに来たかという心境。世界王座を絶対獲るという気持ちで戦う」と決戦の地、大阪に乗り込む。
大平選手は浦島小、浦島丘中出身。「『亀の子すべり台』でよく遊んだ記憶がある」と母校での思い出を語る。高校3年の時、2人の兄の影響でボクシングを始め、法政大学在学時にプロライセンスを取得した。
3戦した後、大手化粧品会社へ就職が決まり一度はリングを離れたが、ボクシングへの強い思いから1年半で会社を辞めた。「もう後がない。覚悟を決めてチャンピオンを目指そうと思った」と再起し、強豪相手に連勝を重ねて今年1月、日本王座を獲得した。戦績は11勝(1KO)3敗3分。
地元をロードワーク
早朝5時30分に起床。母校や六角橋商店街周辺など、地元を走るロードワークで大平選手の一日が始まる。現在、世界ランキングは2位だが、試合で得る「ファイトマネー」だけで生計を立てることは難しく、日中は都内のスポーツショップで働く。
夜は所属する「花形ボクシングジム」(都筑区)へ。厳しい練習を終え、自宅に戻るのは夜11時をまわる。同ジムの花形進会長は「とても真面目で練習熱心」とストイックな日々を続ける大平選手を評価する。
「強運」でチャンス到来
11月、ランキング上位選手の辞退などが重なり、勝った方が世界王者となる「王座決定戦」出場のチャンスが舞い込んできた。花形会長は「チャンピオンになるには運も必要。それを持っている選手」と愛弟子の強運を喜ぶ。
対戦する高山勝成選手は過去3度、世界王者に輝いている格上。サウスポー(左構え)の大平選手は巧みなディフェンスとカウンターが持ち味だが、12ラウンドで行われる長丁場の世界タイトル戦は未知の領域だ。
花形会長は「スタミナのことを考えず、序盤から攻めて行く気持ちが王座奪取の鍵だ」と語る。大平選手は「世界戦を意識した練習で基礎体力を底上げしてきた」と話し、「人生に1回あるかないかの大チャンス。死に物狂いでものにしたい」と運命のゴングを待つ。
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