ミスター高橋の 連載 「貯筋」の心得 【3】スクワット
力士の四股と同様に、プロレスラーの足腰鍛練法の基本はスクワットです。スクワットは今や誰もが知る運動ですが、日本へ伝来したルーツをちょっと一言。
日本にプロレスが根付いたばかりの1955年。アジア選手権トーナメントにインド代表として来日したタイガー・ジョキンダーというレスラーが黙々と行っていたのを見た力道山が、弟子たちにもやらせたのが始まりと言われています。
プロレスラーは毎日3千回も行うなどという都市伝説も生まれましたが、そんなにはやりません。私が新日本プロレスにいた頃の合同合宿でも500回程度。それでもフルスクワットでそれだけの回数を毎日行っていては、消耗品ともいえる膝関節の軟骨を早くすり減らしてしまいます。
昔のプロレスのトレーニングには運動生理学を無視したものが多く、根拠のない根性論が大手を振ってまかり通っていました。身体は虐めれば虐めるほど強くなると信じていた私でしたから、今ではあらゆる関節の痛みと闘っています。
そのような間違った体験を教訓に、私が現在、指導している中高齢者筋トレのスクワットは「ノンロック法」という、膝を曲げきらない伸ばしきらない、いわば中腰姿勢で関節に負担の少ない方法で行っています。 運動中の筋肉は収縮と弛緩を繰り返しています。ノンロック法は収縮したままで弛緩できない状態になっていますので、楽なトレーニングなのに脳はキツイことをさせられたと勘違いして筋肉を強くするよう指令を出すのです。テーブルなどに手をついてもかまいません。ゆっくり20回くらいから始めると徐々に筋力の向上が感じられてきます。
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