神奈川警察署(横田善信署長)は、この春から「人身安全関連事案」「振り込め詐欺」「自転車盗」「女性に対する粗暴事案」の4項目を重点犯罪に指定した。項目の中には、認知件数が減少傾向にある反面、依然として被害が後を絶たない犯罪もあり、今後対策強化を進めていく。
これは、2013年から全国の警察署で始められた「地域の犯罪情勢に即した効果的な犯罪抑止対策」の取り組みの一環。神奈川県警では、各署が地域別の犯罪抑制につながる一年間のテーマを決め、3カ月ごとに検証と見直しを繰り返している。犯罪情勢によってはテーマを変えながら、重点犯罪の防止強化を図っていくという。神奈川警察署ではこのほど、重大事件に発展する恐れのある犯罪を含めた4項目を指定した。
女性の被害多発
今年度新たに指定した「女性に対する粗暴事案」は、強制わいせつや痴漢といった犯罪にあたる。3月末までに14件発生しており、県内でも神奈川区は発生件数が多い傾向にあるという。夜の時間帯を中心に、帰宅中のOLや大学生が狙われており、生活安全課は「これから薄着になる夏場に向けて、更なる被害も考えられる。徹底した職務質問による攻めの活動をする」と話している。大学周辺に住む女性(22)は「夜道は誰かにつけられているのではないかと怖くなる」と不安感を募らせる。
DVやストーカー、児童・高齢者・障害者虐待などを含む「人身安全関連事案」は、昨年に引き続き指定。今年1月から3月末までに57件発生しており、12年に逗子で起きたストーカー殺人事件など重大事件に発展しているケースも多い。同署は「事態に応じた効果的な手段で重大化を未然に防止したい」としている。
詐欺と盗難予断許さず
つい先日も被害報告のあった「振り込め詐欺」。昨年は28件(9426万円)、前年比マイナス5件(マイナス1780万円)と減少はしているが、前兆電話が増加しているという。自治会・町内会費をだまし取る詐欺など、季節特有の手口も発生している。
「自転車盗」の発生件数は、依然として全刑法犯の2割以上を占めている。昨年は414件(前年比プラス43件)で、大口駅周辺や神奈川大学周辺などで多発している。これまで町内会や学生と協力して啓発活動などを実施してきたが、根本的な解決には至っていない。同署は引き続き街頭活動などに取り組んでいく方針だ。
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