ミスター高橋の 連 載 「貯筋」の心得 【6】発汗と水分補給について
運動中ならずとも水分補給の重要性は今や万人の知る常識。昔の「トレーニング中は水を飲むな」の間違い指導はすでに笑い話です。
体重の70%は水分で、その2%が減少すると運動能力が低下し、10%で病的症状、15%で生命の危険にいたります。
運動生理学を無視した根性論・精神論だけを振りかざしたトレーニング法では、選手が要領を使うことを覚えてしまいます。つまり理不尽で過激すぎるトレーニングを強いられる辛さから、必然的にコーチの目を盗んで手を抜くことになってしまうのです。
1976年、当時のプロボクシング世界ヘビー級王者、モハメッド・アリがアントニオ猪木さんとの異種格闘技戦で来日した時。私は光栄にもアリのメッセンジャー役を仰せつかり、トレーニングも目の当たりにすることができました。
不思議に思ったのはトレーニング中にもかかわらず、時折なにかの飲み物を口にしていたことです。私は「特別なスタミナ源ですか」と尋ねると、彼はいつものおどけた仕草でジャブを打つようにボトルを差し出し、「ゲターレードだ」と一言。当時の私には意味不明でしたが、それがスポーツドリンクだったと分かったのは何年か後のことでした。
体重に対して対表面積の狭い肥満型は体内に熱がこもり、その分大汗をかいて熱を発散させようとします。筋肉質で細身な人の方がラジエータ的対表面積は広く、熱交換に優れています。体温調整に発汗は重要ですが、水分の過剰摂取は要注意です。血圧の上昇や内臓にも負担をかけ、特に腎臓が尿を作る限界を超え、機能障害になりますのでお気を付け下さい。
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