公募展で75作品の中から最優秀に値する「ギャラリー賞」に選ばれた 青柳 春香さん 入江在住 29歳
進む道描いて拓く
○…東京・早稲田にあるドラードギャラリーが主催した公募展「第7回小さな絵の大博覧会」で、75作品の中から栄えあるドラードギャラリー賞に選ばれた。動物の写真集で羽根を広げ羽ばたく小鳥の姿が目に留まり、風がなびいている情景を想像し描いた作品。「(入賞して)本当にびっくり。最初はうれしかったけど、今は個展に向けて”作品を作らなきゃ”という焦りもある」とはにかむ。
○…「落書き帳とクレヨンを渡されるとおとなしくしていたらしい」と、物心つく前から絵を描くことが生活の一部だった。西寺尾小、錦台中、城郷高と美術部には入らなかったものの、帰宅すればペンを持つのが当たり前。横浜美術短大(当時)へ進学すると、自分の作品を評価してくれる人ができたことが嬉しく、山積みの課題も苦じゃなかった。
○…描くことに背を向けた時期もあった。映像を学ぼうと専攻科へ進むもうまくいかず、プライベートでも悩む日々が続いた。しかし、そんな姿を見かねた母が「イラストコンペに応募してみたら」と一言。25歳のときに試しに応募した作品が入選し、「自然とまた描きたくなった」。細かな無数の模様で描く独自の技法は、「薬品メーカーが持ってきたペンがものすごく書きやすくて、無意識のうちに描いていた」と薬局での仕事中に生み出した。塗り重ねられる絵の具と違って修正がきかないため、一から描き直すこともあるという。
○…実家で両親・弟と4人暮らし。インドアな性格のため頻繁には出かけないが、幼稚園の頃からピアノを習っている松見町の教室に現在も通い、一年半ごとに発表会にも参加している。「クラシック音楽は物語があるので、自分が描きたいと思っていたイメージと楽曲の雰囲気が合致することがある」と、作品づくりにも刺激を与えている。昨年8月には六角橋商店街で初めて個展を開いた。「”私はこのまま一生描き続けるな”と思った」
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