連載寄稿 イルカ博士の生命感動日記 ㊷イルカの保育士
イルカは水の中で暮らしていても、魚のようなエラ呼吸ではなく肺呼吸を行っていますから、息を吸うときには必ず水面上に出てこなくてはなりません。海に入る前に、ボートの上から見ていると、青い海の底から黒っぽい潜水艦のような怪物が浮上してシュパーと音を響かせ、驚かせます。
ところで、イルカのお母さんは一人だけではないことを知っていますか。
イルカの群れは母系社会ですから、イルカたちは天敵のサメを警戒しながら、ほかの雌イルカたちが交代で子育てを手伝います。新しい生命の誕生を祝って無償で手助けをしてくれる仲間がいるというわけです。
彼女たちは母イルカの出産時から介助役として、約2年の養育期間を外敵から母子を守り、本能的に種の保存を守るためにお世話するのでしょう。私はこんなイルカたちのことを「イルカの保育士さん」と呼んで、応援しています。
初夏、イルカの海では母イルカと養育係のイルカが春先に生まれた子イルカを真ん中に挟み、ゆっくり泳いでいるところを見ることができます。
タイミングが合えば、ゆっくり授乳する母子の微笑ましい姿をじっくりと観察ができます。
【日本ウエルネススポーツ大学特任教授・岩重慶一(問)iwashige@gmail.com】
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