ミスター高橋の 連載 「貯筋」の心得 【17】運動前の体調チェック
運動をする前の体調チェックは年齢に関係なく誰にでも大切なことです。特に高齢者の場合は、血圧の状態を注意しなければなりません。血圧は一日中一定の状態を保っているわけではなく常に変化しています。通常「上」と言う収縮血圧が160mmHg以上あるときは運動を控えたほうが無難です。
運動中の循環器の変化を知るダブルプロダクトという指標があります。運動中の血圧と心拍数の関係をさすもので、若年者は心拍数が高くなるのに対して、高齢者は血圧が上昇します。つまり運動前の血圧が高いと、運動中はさらに高くなって、危険な状態になることもあるということです。
私が高校で『基礎体力講座』の講師をしていたとき、この実験測定をしたことがあります。6名の男女生徒と、それに中年の教師4名(平均年齢53歳)に協力をしてもらいました。
まず測定前の安静時にそれぞれの心拍数と血圧を記録しておきます。測定の方法はエルゴメーター(心拍数などが計測できる自転車)で70W(ワットという単位の運動負荷)に設定し5分間ペダルをこいでもらい、直後に再測定をしました。結果は、生徒の運動前の平均心拍数84に対して運動後は178。運動前の収縮血圧は116。運動直後は132。
これに対し教師陣の運動前心拍数73、運動後が134。運動前の平均血圧が138。運動後が195と、年齢の高い教師陣の血圧上昇が明らかでした。
運動中の血圧は誰でも上昇しますが、220を超すと危険な状態に陥ることもあるといわれています。したがって運動前血圧が高いときは中止が賢明です。
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