本紙は年頭にあたり、神奈川区の取り組みと今年の展望について、二宮智美区長にインタビューを行った。二宮区長は防災や健康、福祉など、地域との「共助」の取り組みを振り返るとともに、地域活動の担い手づくりや区制90周年記念事業を通じた区の魅力創出に取り組む姿勢を示した。
共助の取り組み推進した1年
――まずは、この1年間の神奈川区政を振り返って下さい。
「神奈川区は歴史があり、人情が厚くとても暮らしやすい街です。それだけに古くからの木造建築物が多く、大規模地震時の火災被害が懸念されます。そこで、スタンドパイプ式初期消火器具の普及を図り、一般家庭の水道と直結することができる『街かど消火栓』の配備の支援や通電火災を防止するための感震ブレーカーを町内会単位で設置する取り組みを進めました。
地域防災拠点での医療救護隊訓練に加え、区医師会の災害医療アドバイザーや神奈川区薬剤師会などとの研修や情報共有などの連携を進め、災害時の医療体制の充実を図りました。地域での共助による防災・減災の取り組みのすそ野を広げるために、防災出前講座の開催や学校との連携を図ることで次世代を担う中高校生の防災意識の向上に取り組みました。
また、区民の健康づくりを進めるために地域や企業等と連携したウォーキングポイントの普及啓発とともに『働き・子育て世代』を中心に『野菜レシピ集』の活用など健康啓発を進めました。
地域福祉保健計画『かながわ支え愛プラン』を推進するための推進会議が各地区で開催され、地域での支えあいの気運が高まるとともに高齢者サロンやミニボランティアセンターの設立に結びついた地区もありました」
地域活動の担い手づくり
――2017年の重点事業について教えて下さい。
「地域防災や地域福祉の向上を目指して、地域活動の担い手づくりを進めます。自助・共助による地域防災力のさらなる向上のために、研修会や中学生向けに作成した防災リーフレットを活用して防災教育を支援します。地域活動に興味はあるが、活動には至っていない人材を発掘し、自治会活動などにつなげる仕組みづくりにも取り組みます。さらに、区内に30施設ある地区センターや地域ケアプラザなどのネットワーク化を進め、事業連携や講師・サークルなどの地域人材を共有し、地域活動の担い手育成を進めます。
また、昨年覚書を締結した『スポーツクラブメガロス』と連携した取り組みにより区内企業における『働く世代』への健康づくりを支援するほか、ウォーキングマップやリニューアルする散歩ガイド等を活用し、健康づくりの取り組みをさらに広げていきます」
元気な神奈川区を
――区制90周年についてはいかがでしょうか。
「神奈川区は今年の10月に区制90周年を迎えます。区民の皆さまが神奈川区の良さを再発見し、つながりを強め、元気な区になるよう『区の魅力を発信』『幅広い世代が参加』『健康ムーブメントを広げる』の3つのコンセプトをもとに様々な記念事業を行います。伊東満実行委員長をはじめ、区内の団体の代表者からなる実行委員会が、記念式典、記念誌の発行のほか、3つのコンセプトに沿ったイベントを開催します。
すでに、新年賀詞交換会で記念ロゴマークが発表され、神奈川ロータリークラブから『よこはまのうらしまたろう』絵本(復刻版)630冊が区内の学校などの施設に寄贈されました。今年1年間、区民の皆さまの記憶に残る区制90周年記念事業を開催しますのでご期待ください」
協働の取り組み推進
――新年にあたり区民へメッセージをお願いします。
「一番身近な行政機関として地域の皆様と顔の見える関係のなかで、地域の身近な課題を一緒に考え、汗を流す協働の取り組みを進めます。区制90周年記念事業を契機に、歴史、商店街、農業、企業など神奈川区の魅力や強みを情報発信して、新たな魅力を創出したいと思います。新たな街づくりが検討されている開発計画には、地域の意向を関係部局にしっかり伝えてまいります。
地域防災力や地域福祉を向上させ、地域活動のすそ野を広げることで、地域のつながりを育み安心して温かさを実感できる神奈川区を目指して区政をしっかり運営してまいります」
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