神奈川警察署(廣瀬豊署長)管内で発生している「振り込め詐欺」の手口が巧妙化している。11月に入ってから、これまで主流だった「オレオレ詐欺型」だけではなく、複数の犯人が共謀し一連のストーリーを作って被害者を誘導する「劇場型」の詐欺が急増中。同署は今後も金融機関と連携しながら、詐欺被害を食い止めていく方針だ。
同署生活安全課によると、区内の今年1月〜11月の振り込め詐欺被害認知件数は67件(約1億2600万円)、昨年プラス48件と増加傾向にある。
内訳は、息子や孫を名乗ってだます「オレオレ詐欺」(44件)、ATMで医療費などの払い戻し手続きを指示する「還付金詐欺」(17件)、有料サイトなどの「架空請求詐欺」(6件)。詐欺にあったのは一人暮らしの高齢女性が多く、「自分は大丈夫」と考えていた人がほとんどだという。
最近は組織化が進み、区内では銀行員や弁護士、警察官など、役割分担した犯人たちが電話口に出て被害者を誘導する「劇場型」の振り込め詐欺が急増している。
同署には11月に入ってから、都市銀行カスタマーセンターの「自動音声」からコールセンターに誘導。警察につなぎ「カード不正使用の件で逮捕状が出ている。48時間以内に振り込めば大丈夫」とだます手口で、一日に20件以上の通報日もあったという。
水際で阻止
こうした状況下、詐欺被害を水際で止めているのが金融機関だ。今年、区内の金融機関などが防止した件数は22件に上る。
11月29日には、11月1日から16日にかけて詐欺を阻止したとして、三井住友銀行東神奈川支店と株式会社エクセル、横浜羽沢郵便局が、廣瀬署長から感謝状を手渡された。そのうち2つが「劇場型」だった。
同署は「犯人は録音を嫌うので、固定電話を留守番電話に設定し、お金の話が出たら疑って、以前から知っている家族の電話番号に折り返すことが有効だ」と注意を呼びかけている。
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