熱中症救急搬送 成人の発症が増加 残暑で警戒を呼びかけ
全国的に熱中症による救急搬送者が増加している中、神奈川区でも先月後半から搬送者が増えている。区福祉保健課では、ふれあい訪問員が高齢者に熱中症予防を啓発したマグネットを配るなど対策を講じている。
昨年7月の区内での熱中症による救急搬送者は18件。主な内訳は重症1人、中等症7人、軽傷10人だった。今年7月の搬送者は、重症者こそいないものの同じく18人と変わらず、この夏も多くの人が体調不良に見舞われた。昨年と対照的なのは搬送者の世代。昨年は高齢者10人、成人8人とやや高齢者が多い傾向にあったが、今年は高齢者4人、成人13人、少年1人と成人の発症者が目立つ。建設現場や工場での作業、深夜から朝まで働いていたことなど、労働環境下での発症が多発しており、神奈川消防署は「二日酔いや朝食を食べていない場合も熱中症にかかりやすい。社内でお互いに体調の異変に気をつけ、声掛けをしてほしい」としている。
また、梅雨明け以前の7月16日まで1人だった搬送者は、17日には一日に4人搬送され、その後も複数の搬送者が確認されている。搬送場所は屋外よりも屋内が多く「空調が稼働していて気温が30℃以下でも、湿度が高いと発症します。特に高齢者はエアコンが苦手だったり暑さに対する反応が鈍くなっている分、対応に遅れが出やすい」と担当者は分析する。
区内企業にも注意呼びかけ
同消防署では「熱中症予防広報」として、家庭でも作れる経口補水液の作り方を載せたチラシを配布している。区福祉保健課では「高齢者の方ほど節電意識が強いので熱中症になりやすい」とし、市の派遣するふれあい訪問員が高齢者宅に訪問する際には、「熱中症予防のための5か条」が書かれたマグネットを配布するなどの対策を講じている。
「予防するにはどうしたらいいのか」という高齢者からの問い合わせもあり、自治会や地区センター、区内企業などにも「節電を意識しすぎて我慢をしないでほしい」と注意を呼びかけている。
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