まちづくり国交大臣表彰を受賞した大口通商店街協同組合の理事長 荒川 実さん 大口通在住 62歳
商店街を守り育てる
○…アーケードのある昔ながらの佇まい。大口通商店街は、古くから近隣住民の生活を支えてきた。副理事長だった2006年、商店街の理事らと共に「大口通地区まちづくり協定」を作成。建物1階を店舗にしなければならないなど、商店街らしさを守り育てるルールを定め、08年には市の認定を受けた。こうした取り組みが評価され、6月に「まちづくり月間国土交通大臣表彰」を受賞。このほど、理事長として林市長への表敬訪問も行った。「我々の街づくりが行政から評価されることは、光栄であり、励みにもなります」
○…家具屋の2代目。祖母も「髪結い屋」を営んでいた生粋の大口っ子だ。幼いころは野球少年。現在の国道1号にはグリーンベルトがあり、よくそこで弟とキャッチボールをして遊んだ。「当時は車なんてあまり通ってなかった。年末ともなると、大口駅から商店街まで大勢の人であふれ返っていた」と振り返る。あれから半世紀。商店街を通して、日本経済の栄枯盛衰を目の当たりにしてきた。
○…15歳で父が他界したのをきっかけに、家具屋を継ぐ決心を固めた。商売を学ぼうと商業高校から亜細亜大に進学。「学生運動が盛んな時代で若者にパワーがあった」。大学の講義を受けながら家業を手伝う毎日。スキーに熱中する一方で、この頃から商店街の活動に参加。大学卒業後、バス旅行イベントを企画するなど、商店街のスタンプ事業を担った。28歳で理事に就任。その後、横浜青年会議所に入会するなど、精力的に過ごしてきた。
○…商店街では、後継者の人材育成が課題となっている。2人の子どもを授かったが、自身も例外ではない。「売れていれば、商売は面白い。我々が魅力ある商店街を作り、若い世代に伝統を受け継いでもらいたい」。目指すは「大口通に来れば何でもそろう。人が集まる、ほっとする街」。まさに、幼いころに見た愛される商店街だ。
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