「生き残るための対策を」 荒卷署長インタビュー
3月11日で東日本大震災から丸2年となる。そこで本紙は神奈川消防署・荒卷照和署長にインタビューを行った。署長は同署が取り組む防災・減災対策とともに、区民へのメッセージを語った。
――震災から2年となります。区内の当時の様子を振り返って下さい。
「神奈川区においては、古い家屋や臨海部の高層マンションがかなり揺れました。帰宅困難者も出たため、公会堂を開放するなどの対応が必要でした」
――昨年の区民意識調査で明らかとなった、区民の「防災」に対する意識の低さについて。区民に伝えたいこと、取り組んでほしいことなどはありますか。
「今回の調査では、食料などの備蓄といった『生き残っていることが前提の対策』に対する意識は高かったのですが、残念なことに、住宅の耐震化や家具の転倒防止措置など『生き残るための対策』に対して意識が低いことが分かりました。地震が起きたときは、自分の命や体を守ることが第一です。生き残ることができれば、食料などは援助でなんとかなります。
横浜市で大規模地震が起きた場合、命が奪われる危険性のある高頻度災害は、『地震の揺れによる建物の崩壊』『家具類の転倒・落下』『火災』です。また、地震被害想定の見直しにより、区内で想定される火災件数は市内ワースト1位です。区民の方には、建築物の耐震化(居室のシェルター化)、家具類の転倒・落下防止対策、地震火災に対する出火防止措置を確実に行ってほしいです」
――神奈川消防署として取り組んでいることを教えてください。
「まず署員と区職員への防災指導を行っています。地域防災拠点では防災訓練の参加支援、区内事業所では防災指導者への教育に取り組んでいます。また、自治会町内会と社会福祉施設の防災協定締結も積極的に推進しており、区民の方向けには防災セミナーや防災ギャザリングを開催し、防災意識の向上に取り組んでいます」
――最後に、区民へのメッセージをお願いします。
「大規模災害時、とにかくまず生き残ることが大事ですので、私たちと一緒に防災・減災対策に取り組んでいきましょう」
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