4月1日付で神奈川消防署長に就任した 松原 正之さん 横浜市在住 51歳
地域の力を減災に
○…前任の西消防署と比べると、神奈川区は3倍の広さ。「海や漁師町から畑・農地、商店街まで、バラエティに富んだ街。全体をきちっと見渡せる署長になりたい」と深くうなずく。市の地震被害想定がワーストの区でもあり、おのずと署長の役割は大きくなる。「古い家屋の密集地もあるので、どうやったら火災を予防できるか、地形含めて街の特徴を一日でも早く把握したい」
○…金沢区の野島で生まれ育った。幼少期は朝から晩まで泳いだりカニを捕ったり、海のあらゆるもので遊びつくした。中学時代から本格的に野球を始め、強豪校・市立南高校に進学。ピッチャーを務めたこともあり、2年生の秋には県ベスト4まで上り詰めた。忘れられないのは、3年生最後の試合。「ベスト8をかけた対市立桜丘。相性のいい相手だったのにも関わらず負けてしまった」とほろ苦い思い出を懐かしむ。
○…明治大学ではマーケティングを学んだが、「民間企業よりも、体を動かして社会のためになりたいという気持ちが強かった」。進む道はただ一つ、消防士と決めていた。これまで消防署をはじめ、消防局や健康福祉局などでも活躍。健康福祉局では救急災害医療担当課長として出向し、当時問題視されていた妊婦のたらい回しや受け入れ拒否を改善すべく、病院の医師と向き合った。また、消防と医師による救急医療チーム「YMAT」の発足にも尽力。より高度な救助活動を可能にした。
○…学生時代からツーリングが趣味。中学の同級生だった妻とはオートバイがきっかけで再会し結婚に至った。娘と息子に恵まれ、消防士を夢見る息子に対しては「消防士になるにはまだまだかな」と笑う。心に刻んでいるのは、中国古典に出てくる「欹器以満覆」(今の状況に慢心してはならない)。「消防団や地域の皆さんと協力して、『地域の減災力』を築き上げていきたい」と意欲を見せる。
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