宇宙エレベーター 神大でミニレース 神工高ら8チームが参加
地上と宇宙をつなぐ次世代の輸送機関として期待されている「宇宙エレベーター」の試作機を使ったミニレースが8日、神奈川大学で開催された。区内からは同大のほか、神奈川工業高校の生徒が参加し、高さ約30mから吊り下げられたベルト上でクライマー(昇降機)を走らせた。
このレースは、一般社団法人宇宙エレベーター協会(大野修一会長)が新クラス「SPIDER」の競技会開催を目指し、同大工学部宇宙エレベータープロジェクト(江上正教授)と試験的に行った。
「SPIDER」は2kg以下の軽量クラス。市販のラジコンカーのキットなどを用いて簡単に製作でき、実験にも使用できる。当日は同大のほか、神奈川工業高、磯子工業高、神奈川大学附属高の全8チームが参加。中には約10秒という速さで頂上まで到達したものもあった。神奈川工業高チームは、学校に残っていた廃材を活用して低コスト・軽量クライマーを製作。動作への不安が残るまま本番を迎えたが、頂上へ到達させることができた。槇岡瞭介さん(3年)は「少しでも動けばいいと思っていたので嬉しい。機能向上を目指し改良を続けて、新型も作りたい」と笑顔を見せた。
同協会は、当日の内容をもとにルールなどを決め、年内の開催を目指す。
宇宙開発担うのは「若者」
宇宙エレベーターは重力と遠心力を利用した輸送機関として、実用化に向けて研究が進められている。今回のミニレースを通して、工学部の酒造正樹特任准教授は「夢を持った学生のモチベーションにつながる」と話し、クライマー製作に取り組む浦卓也さん(工学部4年)は「上昇できたクライマーが多くてレベルの向上を感じた。自分たちが機体の性能向上に取り組むことで、競技会の実現につながれば」と答えた。
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