神奈川保護司会会長として、元受刑者の更生を支援している 加藤 勇治さん 浦島町在住 73歳
つながりを大切に
○…神奈川保護司会の会長として、41人いる神奈川区内の保護司をまとめる。高校卒業後、漁で使う網の卸業を継ぐために家業を手伝い始めた。そのため会社員として務めた経験はなく、「昔は社会性が全くなかった」と笑うが、40代の頃に学校行事を通して地域とつながった。以来、PTA会長、こども会会長、青少年指導員など、地域の要職を任されるように。「40代までは井の中の蛙。でも学校関係の活動を通して人生を学んだ」と周囲への感謝を口にする。
○…保護司は、保護観察中の犯罪者や非行少年の環境生活調査などを行うボランティア。以前は影の仕事として世間に隠れるように活動していた。しかし、最近は知名度を上げて社会全体で元犯罪者や非行少年を支えていく方向にあり、犯罪防止の啓発活動にも力を入れている。「ボランティアをしていると、人とのつながりが増える。大変なこともたくさんあるけど、人生にプラスの方が多い」と力強く話す。
○…現在は妻と二人暮らし。4人の子どもたちは、「みな自分で選んだ道をしっかり進んでいる」と嬉しそうに話す。同居はしていないが、仕事を継いでくれた長男が市内に住んでいるため、3人の孫たちが良く遊びに来てくれるという。「長女にも、今年子どもが生まれた」と話す横顔は、自然とほころぶ。「趣味はない」と話すが、孫と過ごす時間は、何よりも楽しみだ。「家族愛が基本だよ」
○…人生訓は、「九転十起」と「愛と和」。「少し優しすぎるのかもしれないが、保護司として面接をしているときも、決して否定はせず、相手の話を聞いている」。そのような姿勢が相手の心に安心感を生む。「自分が担当した相手が更生し、手紙をもらったり街であいさつされた時は本当に嬉しい」と話す横顔には、優しさがにじむ。定年までは、後4年。これまで育んできた繋がりを大切に、真面目に取り組み続ける。
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