「ヨコハマカクテルコンペティション2013」でグランプリを獲得した 高野 真さん 白楽在住 30歳
バー発祥地の若き表現者
○…「『音楽』という大会のテーマに合わせて、過去から未来へとつながれていくイメージで作った」。キウイ、レモン、ラベンダーなどのリキュールやシロップを使った黄緑のカクテルに、オレンジの皮でかたどった音符や五線譜を添えた「Melody Line」で、グランプリに輝いた。「おいしく1杯飲めるものを意識した。それぞれの配分が5ミリリットル違うだけでガラッと変わる。酔っ払いながら何度も味見した」と笑う。
○…生粋の白楽っ子。高校では「女の子にモテたい」という下心から軽音楽部でベースを弾いたが、「ベースは地味で全然モテなかった」と苦い思い出を笑い飛ばす。絵に描いたような青春時代を過ごしていた高3の時、1年ぶりに再会した友人が精神障害者になっていたことがきっかけで「彼女ともう一度楽しく話せるようになりたい」と、福祉の専門学校に進学。卒業後は病院で精神科ソーシャルワーカーとして2年働いた。
○…「他の世界を見てから福祉の仕事に戻ってもいいかな」。専門学生の頃にバイトをした経験から、ジャズバーで6年間修業。一昨年、29歳で「BAR chapter」を白楽駅前に開店した。「なんなのこのカクテル」と突き返されたこともあったが、そんな客も今では常連。先輩や客に支えられながら、約2カ月半かけて考案した作品を大会で披露した。「グランプリを獲れたのは各審査項目が全て2位だったから。どれも突出していない点では悔しい」と満足はしていない。
○…3人兄弟の末っ子。一人暮らしだが、実家のすぐ近くに住む。休みの日や営業前にはフットサルで汗を流したり、先輩の店で飲みながら勉強することも。「料理からインスピレーションを得てカクテルを作ることも多い」と話す。「『優勝したバーテンダーがいる店』としてさらに技術に磨きをかけて、うちの店をきっかけにバーの魅力を多くの人に伝えていきたい」と、決意に満ちた瞳を輝かせた。
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