野菜の新ブランド「はざわ育ち」を立ち上げた 平本 貴広さん 羽沢町在住 41歳
農業にまい進、これからも
○…キャベツの生産地として有名な羽沢町で、仲間たちと新しいスタイルの農業を進めている。生産した野菜は、市場に卸すのが当たり前の業界。4年ほど前からスーパーとの直接取引をスタートさせ「他店にないものが欲しい」という要望をきっかけに、珍しい野菜を作るようになった。それまで行っていた少種類大量生産から、多種類少量生産への転換だ。現在は、年間で70〜80種類もの野菜を手がける。7月には、仲間と共に立ち上げた野菜ブランド「はざわ育ち」の商標登録が認められた。
○…海老名にある農業大学校(現農業技術センターかながわ農業アカデミー)で農業のイロハを学んだ。「満員電車には乗りたくなかった」。農家は継ぐつもりだったが、卒業を前に「このまま継いだら、外の世界を全く知らない人生になる」と考えて海外研修に応募。1年間留学したアメリカでは、広大な土地で数百人の労働者と働く環境に圧倒された。そこで学んだ効率的な苗の栽培法は、帰国してからすぐに実践した。周囲には効果を疑問視されたが、構わず取り組み、今ではその方法が日本でも主流となっている。
○…野菜を市場に卸していた頃は「どう買ってもらうか」を市場に丸投げだったが、今は消費者の顔が見える形で取引しているため「いかに買ってもらうか」を考えるようになった。自身の作った野菜を並べている店に行き、客から直接意見を聞くこともある。種類を多くしている分、手間暇がかかり、値段は高くなる。それでも「消費者はわかっている。本当においしい野菜は、必ずまた買ってくれる」とニコッと笑う。
○…「はざわ育ち」は、まだ生まれたばかり。神奈川県には「鎌倉野菜」という大きなブランドもあるが「おいしさでは決して負けていない」と自信を示す。いずれは知名度でも追い越すつもりだ。そのために、これからもおいしい野菜を作り続けていく。
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