アンテナショップを通じて商店街活性化に取り組む 小栗 俊雄さん 「大口にぎわい広場」店長 70歳
人の絶えない通りを演出
○…9月8日にオープンした「大口にぎわい広場」。東日本大震災の被災地である福島県などで、雇用増進のために運営されている作業所の作品などのほか、神奈川区内の名産品や防災グッズなども販売しているアンテナショップだ。オープン当初から関わり、先月21日からは店長として運営に携わる。「たくさんの人に『こういう場所があって良かった』と言ってもらえるような場所にしたい」
○…5年前までは、長らく音楽業界で働いていた。レコード制作からCDなどの販売まで、様々な職種を経験した。「音楽制作にはいろんな人が関わる。コミュニケーションによって成立する仕事だ」と、今の仕事との共通点を語る。独立して会社を経営していた時期もあり、そういった経験全てが現在に活かされていると感じている。当時の人脈は現在も続いていて、2月頃には知り合いのアーティストに無料ライブをしてもらう予定だ。
○…子どもは3人、成人している孫もいる。一番下の孫は昨年生まれたばかりで「年末年始の休みで会うのが楽しみ」と目尻を下げる。現在は妻と娘の3人暮らしで、時折3人で食事に出かけることもあるという。妻とはよく一緒に図書館に行って本を借りるなど、共通の趣味を楽しむ仲だ。今でも音楽は好きで、休みが合えば交流のあるアーティストのライブに行くことも。「良い気分転換になる」
○…「今までに経験したことのないものに挑戦したい」と思い仕事を探していたところ、同広場の求人に出会った。オープンから3カ月が経ち、若いママたちから高齢者の人たちまで一定数の常連さんは定着してきた。それでも「利用者が増加することが商店街の活性化につながる。まだまだ目に見えるような影響が表れていない」と悔しがる。健康相談や紙芝居など、工夫を凝らした企画で人を集めるが、「もうひと頑張りが必要だ」。柔和な表情が引き締った。
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