神奈川公会堂で10月14日、「神奈川区地域安全のつどい」が行われた。振り込め詐欺についての講話では、オレオレ詐欺や還付金詐欺による被害が後を絶たず、前年に匹敵する勢いで発生していることが浮き彫りとなった。
今年も地域住民をはじめ、警察署や行政関係者らが集まり、各団体から防犯についての発表などがあった。防犯講話では島要生活安全課長が登壇し、振り込め詐欺の手口や区内での事例・注意点などについて解説。来場者は真剣な面持ちでメモを取りながら耳を傾けていた。
被害額7300万円
10月15日現在、神奈川区内で発生した振り込め詐欺は23件。被害額にして約7300万円に上る。市内で既に50件以上発生している地域もあるとはいえ、昨年1年間で発生した33件に並ぶ可能性もあり油断できない状況だ。手口として、息子などをかたってだまし取る「オレオレ詐欺」が依然として多いと同時に、行政職員などをかたる「還付金詐欺」が増加。生活安全課は「なかなか検挙が追いつかない」と頭を悩ます。
意識向上で効果も
一方、被害を未然に防いだ件数も23件(約7800万円)で、「振り込め詐欺に対する各金融機関の意識が高まっている効果ではないか」と分析する。今年に入って3件の振り込め詐欺を阻止した横浜新子安郵便局の大川貴之局長は「土地柄か、以前港北区で勤務していた時と比べても頻発していて驚いている。その分局員の意識は高く、お客様が気軽に話せる関係づくりに注力している」と話す。
5月末には、タクシー運転手が阻止した例もあった。三和交通神奈川=菅田町=の仲出川竹雄さんは、乗車した高齢の女性から「息子が事業に失敗したから知人にお金を渡しに行く」と聞いて警察に通報。「家族のことを聞くのは失礼だと思ったが、典型的な手口だった」と振り返る。
また、振り込め詐欺防止モデル地区の片倉地区連合自治会のように、防犯座談会や老人会の会合で署員を招いて講話を行うなど、防止活動に積極的に取り組んでいる地域もある。生活安全課は「素人が手を染める模倣犯も増えている」と警戒を呼びかけている。
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