「第70回記念ハマ展」の写真部門で協会賞を受賞した 小池 將夫さん 桐畑在住 71歳
レンズ越しの一瞬求め
○…一面銀世界の北海道で、オオワシと魚を奪い合う猫を捉えた『スーパーキャット』で、初の協会賞に輝いた。「猫に100点をあげたい。舟盛りでも届けるかな」と茶目っ気たっぷりに笑う。北海道で越冬する鳥たちを撮ろうと訪れた先で偶然出会った光景。「撮ったあと自分の体より大きな魚を全部平らげて、僕の泊まっていたロッジの前で寝ていたよ」と作品の裏話も明かした。
○…映画美術の草分けと言われた父の影響で、小学生の頃からカメラを手にしていたが、「その頃は遠足で友だちを撮るくらい」と振り返る。関東学院で過ごした青春時代には、ブラスバンド部でクラリネットを奏で女子校の生徒を魅了したが、「もう中学のときから今の奥さんとお付き合いしていたからね」と頬を染める。父の背中を見て育ったため、映画の世界にもあこがれたが、愛犬の死をきっかけに獣医師を目指して大学へ進学した。
○…卒業後に妻と結婚。市職員として動物園や畜産農家に出向き、牛の胃袋を手術するなど大動物の診療に携わったのち、34歳で独立開業。カメラを提げて出かけるようになったのは、それからしばらく経ってのことだった。ハタハタ漁を撮影しに行った真冬の男鹿半島では「地元漁師に危ないと止められたけど、『死んでもいい』と言ったら乗せてくれた」と思い出に浸る。そのあと寒風に耐えながら浜辺を歩く女性に偶然出会い、カメラに収めた作品が神奈川二科展で入選。「いつ出会うかわからない。その一瞬にシャッターが切れるかだね」と話す。
○…仕事柄「新鮮に感じられない」と、動物を被写体にしたのはここ最近。「いつかアフリカに行きたい」と目を輝かせる。釣りに出かけても、シャッターチャンスが来れば竿を放り出して”船上カメラマン”になる。今はテーマを決めて作品づくりに取り組む。「見る人が楽しいものを撮りたい」と出会いの旅を続ける。
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