横浜市はこのほど、優れた技能をもつ職人の功績を称える技能功労者・優秀技能者表彰を技能文化会館で行った。神奈川区内からは技能功労者に2人、優秀技能者に3人が選ばれた。そのうち、市が情報公開している優秀技能者の岩井耕治さん(44)と岩崎勝一郎さん(40)を取材した。
技能功労者表彰は、満60歳以上の市内在住者で30年以上同一業種に従事し顕著な功績を収めた人を表彰するもの。一方、優秀技能者表彰は満30歳から50歳未満、15年以上の経験者が対象となっている。
三ツ沢中町在住塗装・岩井さん
塗装で受賞した岩井さんは、三ツ沢中町の自宅兼事務所で「岩井塗装」を経営。住居や店舗の内装・外装や、橋りょうなどを手掛ける。
オートバイのレーサーとして多くの大会に出場していた岩井さんは20歳から38歳まで、レースに出場しながら、知人の塗装会社で働いていた。「休むことが多い分、仕事の技術を上げようと人一倍頑張っていた」と振り返る。
6年前に独立。勝負の世界で戦っていた性分から、常に100点の仕事を心がけてきた。「一度逃げたら逃げ続けてしまう。”魂は細部に宿る”という言葉のとおりに、やりきるまでやめない」とストイックな一面を見せる。羊小屋の外装を依頼されたときに自身の提案でイラストを描くなど、アイデアマンでもある。「お客さんが感動してくれ『あなたに任せてよかった、また来てね』と言われたことが嬉しかった」と笑顔を見せる。今後については、「職人として、一番になりたい」と目標を掲げる。
大口仲町在住鳶職・岩崎さん
鳶職は、一般的に建設業で高所の作業を専門とする職人を指すが、岩崎さんは住宅の基礎工事から足場、外構、解体まで、大工工事以外の作業なら何でも行う「まち鳶」に分類される。
大口仲町にある「(有)鳶 岩崎」の三代目として、幼い頃から祖父と父の背中を見て育った。学生時代は柔道に打ち込み、全国に名を馳せた。大学卒業後、建設会社で現場監督や営業として働いた。27歳で結婚を機に実家に戻り、一から鳶職としての修業を始めた。「図面は知っていたが、試行錯誤しながら現場で技術を身に付けていった」。機械化が進む建設業界については、「最後は人の手が必要だ。機械任せの仕事では、お客様に満足してもらえない」と職人としてのこだわりを垣間見せる。
「ものづくりは楽しい。お客様の喜んだ顔が何よりのやりがいです」と常に施主の立場になって仕事に打ち込むことを心がける。技能者表彰については「その名に恥じないように精進していきたい」と話している。
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