全盲のシンガーソングライターとして音楽活動に取り組む 栗山龍太(りょうた)さん 富家町在住 38歳
眼差しの向こうに武道館
○…几帳面な性格のパートナー”ダイアン”を連れて、平日は横浜市立盲特別支援学校で教壇に立ち、休日はステージでその透き通った歌声を響かせる。盲導犬との生活や日常で感じたことなどをパートナーとともに歌う姿が話題を呼び、今や全国で引っ張りだこ。すくすくかめっ子Xマス会のライブも無事に終え、「1月には東神奈川のジェイバッカスというバーで歌うんですよ」とにっこり。
○…大阪で生まれ育つ。母の勧めで3歳からピアノを始めた。「4歳の頃には好きな曲にアレンジを加えて弾いていました」と懐かしむ。視力を失ったのは小5のとき。「僕の失明を苦に両親が蒸発し、中3から児童養護施設で過ごしました」。心の支えは音楽。盲学校では仲間たちとバンドを組んで音楽漬けの毎日を過ごした。高校卒業後、施設を出たい一心で単身、茨城へ。筑波技術大学で針灸マッサージ師の資格、筑波大学で教員免許を取得。24歳から現在の職場で教師生活を送っている。
○…18歳からデモテープを音楽事務所に送り続けていたが、音楽の道は狭き門だった。しかし転機が訪れる。21歳の頃に楽器店で出会った友人が音楽会社を設立。「よかったらCDを出さないか」と、4年前にCDデビューを果たした。「メロディーが思いつくのは朝、出勤しているときや散歩のときが多い」。ダイアンといると、自然と良いことばかりが頭に浮かぶという。職場でも同僚とバンドを組んでおり、「音楽は僕のサプリメントみたいなもの」と位置付ける。
○…家に帰れば二児のパパ。「よく子どもとステージごっこをしますよ」と微笑む。数年前には、ギターとベースが一つになった8弦ギターを特注。「ライブハウスも作ってみたいと思います」と意欲を見せる。「いつかラジオやテレビで僕の作った曲が流れたらいいなって。夢は武道館に立つことです」。眼差しの向こうに光り輝く将来を描く。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|