学生創作バレエ公演プロジェクトの代表として準備を進める 田中 万里子さん 神奈川大2年 21歳
「リケジョ」の舞台演出家
○…バレエ公演を私たちの手で―。大学の垣根を越えて集まった約40人の仲間たち。企画から振付け、美術、舞台構成まで、学生たちが一から作り上げる舞台の仕切り役だ。「敷居が高い」というイメージを覆すため、演目はバレエ界ではあまり上演されない童話『青い鳥』を選んだ。「一方的に伝えるのではなく、小さい頃に読んだ絵本のように、わくわくするような作品にしたい」
○…東京都世田谷区生まれ。経験者の母に勧められ、小学1年生でバレエを始めた。「ピアノなどの習い事は続かなかったが、バレエだけは違った。トレーニングは厳しいのに不思議と熱中できた」と振り返る。トップダンサーが来日すると聞けば、公演に足を運んだ。「当時の観客としての経験が、今回の舞台作りに役立っている」。中学時代にフランス、高校ではロシアで踊った経験も。当然、プロバレリーナになることに何の疑いもなかった。
○…高校卒業を前に、人生の岐路に立つ。海外のバレエ学校からの誘いを、直前に負った怪我や海外情勢の悪化を理由に断念したのだ。大好きだったバレエを辞め、しばらくの間、関わることを避けていた。転機は友人の発表会。「とても面白く、音楽を聴いては振付を作って遊んでいたころを思い出した」。こうして、演者でなく制作側の立場でバレエと関わっていくことを決心。8月の公演に向けて、友人だけでなく、口コミで広まった多くの学生たちと準備を進めている。
○…神奈川大工学部の理系女子。「熱で性質が変わる鉄が好き。『Fe』のキーホルダーを愛用しています」と笑う。塾講師のバイトや学習支援サークルにも所属する多忙ぶりだが、「どれも好きな事なので楽しい」と意に介さない。息抜きは、自然と触れ合う一人旅。1月30日に、クラウドファンディングを開始した。「大学だけでなく、観客と作り手の垣根も越えたバレエ公演にできれば」
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