舞台運営ボランティア団体の代表として、3月開催のコンサートに向け奔走する 入江成雄(しげお)さん 菅田町在住 71歳
ステージ裏の主役
○…区役所で行われた”舞台の裏方”講座を受講した仲間らと、12年前立ち上げた「スペース神奈川」の代表。神奈川公会堂を拠点に、各種団体から依頼を受けてイベントの音響、照明、進行など舞台運営を支えている。現在は3月に開催する12回目の自主企画イベント『春のコンサートin公会堂』の準備に奔走中。「照明の色や当て方など、いかに良い舞台にするか公会堂でリハーサルを重ねているところ」とうなずく。
○…東京で生まれて間もなく、疎開で山口県へ。戦後は箱根で過ごし、小学2年生から一年間は神橋小学校に通った。「まわりは一面畑で、友人と獲ったクモを戦わせて遊んだ」と懐かしむ。磯子で過ごした中学高校時代、卓球部のほか新聞部にも所属。「可愛い女の子がいたから入部した」と舌を出す。読書好きで、物語に登場する地名を地図で探しては、想像を膨らませていたという。
○…大学で建築・土木を学んだのち、就職したゼネコンでは東南アジアで石油プラントを作り、帰国後は下水道整備など現場の第一線で汗を流した。そんな経験から「人と一緒に作り上げていくのが得意だと感じた」と、定年直後に講座を受講。「12年も経つとみんな歳もとるし、企業じゃないから続けていくのが大変」と渋い表情を見せるも、互いの信頼感や作業の熟練度は向上し、昨年のコンサートは超満員になった。出演者と観客が一体となった瞬間は「ゾクゾクする」。
○…二人の息子は自立し、妻と温泉めぐりに出かけたり、名古屋の愛護センターから引き取ってきた飼い猫「なご」と過ごすことが多い。「こんなに続いたものはない。性に合っていると思う」と話すのは、定年後から習っているチェロ。時には老人ホームに出向いて演奏することもある。「健康で人に迷惑をかけずに、”生きていくのって楽しい”と思える日々を過ごしたい」。第二の人生にスポットライトを当てていく。
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