絵本作家として子育て広場「おかげさま亭」を総合プロデュースした 保科 琢音(たくお)さん 三ッ沢下町在住 32歳
絵と語りで惹きつける
○…毎日通り過ぎていた居抜きのテナントをNPO法人が活用しようと模索していることを知り、「絵本作家である自分をぜひ使ってほしい」と、企画書を持っていった。これが子育て広場”おかげさま亭”の始まりだ。「名前には『おかげさまで』という気持ちを込めた。看板やのぼりのデザインも私が描いたもの」。オープンしてまだ1カ月ほどだが、日に日に利用者が増えている。
○…保土ケ谷区星川の出身。幼い頃から、頭の中で想像したストーリーを絵に描くのが好きで、小学1年のときに応募した作品が県で表彰された。「”絵を描くとみんながほめてくれる”ということを知った」と創作の原点を振り返る。工業高校3年の三者面談で「絵本作家になる」と明言。そんな話を聞いたことがなかった担任と親はびっくりしていた。
○…まず手始めに、出版社で広告営業に携わった。その後、より絵本との距離が近い仕事に就こうと、司書補の資格を取得。都内の図書館で6年勤務し、横浜市内の図書館には昨年の8月まで4年勤めた。一昨年、『あっかんべー』で念願の絵本作家デビュー。「当時1歳になった娘が最初に読んだ絵本は親父の作品。格好いいでしょう」と微笑む。市職員落語愛好会の会長でもあり、区内外の子育て広場などで読み聞かせ『読絵(どくえ)ん会』を開けば、その軽妙な声色でたちまち子どもたちを絵本の世界へ引き込む。落語調で自作の絵本を読む独自のスタイル”絵本落語”も始め、「絵本作家と落語、両輪の歯車がかみ合っている」と手応えを感じている。
○…現在は絵本作家一本。保育園に通う娘の送り迎えや家事もこなす。「娘の名前は珠笑(たまえ)。世界一の名前だよ」と目を細める。各地での読絵ん会、落語の公演に加え、おかげさま亭の運営もあって忙しい日々。「読んでも笑わせられる、日本一の絵本作家になる」と、トレードマークの赤い帽子のつばを上げた。
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