神奈川区は、高齢者の緊急時に身元確認ができる「おまもりライト」の配布を、12月1日から菅田地区で試行的にスタートさせた。高齢者の徘徊や外出先で急変した際、迅速に身元確認や緊急連絡先への通報ができるよう、菅田地域ケアプラザ協力のもと同地区在住の希望者に無料配布している。
この取り組みは、名前や住所、電話番号、持病などの情報を同ケアプラザに登録した65歳以上の希望者を対象に、登録番号が記載されたキーホルダー型LEDライトを配布するというもの。「おまもりライト」には登録番号とともにケアプラザの電話番号と開館時間が記載されており、持ち主が身元確認に応じることが難しい緊急時、通報を受け駆けつけた警察や消防、病院が同ケアプラザに連絡し身元照会できるというシステムだ。
広報チラシやホームページで同地区在住者に周知を進めており、1000個を用意。12月5日午前の時点で12人が登録したという。
高齢化率トップ
今回、試行することになった経緯について、高齢・障害支援課の作山一隆課長は「徘徊や交番で保護された人に、個人情報を聞き出せないことがよくある」と話し、都内でのモデルケースなどを参考に昨年度から準備を進めてきた。試行対象には、区内8カ所の地域包括センターで振り分けられているエリアの中で、高齢化率が26・5%(区全体20・8%)と最も高い菅田地区を選定した。市内では、旭区(一部地域)と中区で同様の取り組みが行われており、中区福祉保健課は「ケアプラザや社協、民生委員などの積極的なPRのおかげで、今年4月からの半年で500人以上の登録があった」と、取り組みは順調であるとしている。
夜間対応や周知に課題
福祉計画に基づいた独自の取り組みなど、高齢者支援に積極的である菅田地区。菅田地域ケアプラザの麻生順子所長は、「チラシだけでは周知に限界がある。老人クラブやサロンなどを通じて、直接地域のみなさんに紹介してきたい」と意欲を示す。しかし、ケアプラザの休館日は照会できないという課題もある。作山課長は「夜間の対応は今後、考えていかなければならない」と話し、神奈川警察署の増田浩美地域担当次長は、「夕方から夜間の通報が多いので、24時間対応できると良い」とした上で「業務上とても助かる取り組み。試行段階なので、区役所と連携していきたい」と期待を寄せる。
試行は来年度も継続し、他地区の導入も含めてさまざまな検証を行った上で、17年度から区全体でのスタートを見据えている。
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