第7回「わが町かながとっておき」写真コンテスト一般部門で最優秀に選ばれた 倉橋 裕(ひろし)さん 西寺尾在住 51歳
記憶の一瞬切り取る
○…「せっかくカメラを持っているんだから、応募してみたら」と妻に促されて応募。コンテスト自体初めての挑戦だったが、見事、最優秀賞を掴み取った。近所にある駒形天満宮で撮った一枚。初めて足を運んだが、社を守る狛犬の存在感あふれる姿をうまく収めた。「最初に受賞の通知を見た妻が『大変だ』と言って部屋に来たので、何か悪い知らせかと思ったからびっくりだった」と笑う。
○…高校時代、友人が持っていた一眼レフのファインダーを覗いたときの、ピントが合った瞬間に感じた感動から数十年。昨年、念願の一眼デビューを果たした。それまではスマホで撮った写真をSNSに投稿。「いろんな人に見てもらって反応があるのが楽しい」と、カメラの購入時にはアメリカ人からアドバイスをもらった。愛用のニコンを鞄に忍ばせて、大黒町にある職場へ行くこともしばしば。帰りに寄り道してカメラを構えているという。
○…さかのぼれば、最初にカメラを手にしたのは小学生のとき。卒業アルバムに写る少年の首にはカメラがぶら下がっている。「当時は車が好きで、父のフィルムカメラを持ってディーラーによく行った」と懐かしむ。高校では映画研究部に所属。「カツラをかぶってサングラス姿で(地元の)新大阪駅を歩いた」と、8㎜フィルムで映画を作った。大学進学を機に大阪から上京。現在は繊維メーカーで開発のグループリーダーを務める。理系らしく写真も計算かと思いきや、「考えると撮れなくなる。直感でいいなと思った瞬間にシャッターを切る」ときっぱり。
○…最近は、大学生になった娘と中3の息子をモデルにポートレートを練習中。取材中も「ちょっと撮ってみてもいいですか」とレンズを向ける。娘が通う高校の卒業式では、クラス写真のカメラマンに抜てきされた。「写真は”思い出の記録”。瞬間と空間の光を切り取りたい」と、その一瞬を相棒に刻みつづける。
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