舞台『生きる』の横浜公演に向け稽古中の 白井 光浩さん 栄町在住 48歳
「役者道」を追求
○…東映『ビーバップハイスクール』で鮮烈な銀幕デビューを果たした。あれから30年。「懺悔の神様」・ブッチー武者さんが座長を務める、介護をテーマにした舞台『生きる』に出演する。「舞台を通じて若い人たちに認知症介護を考えるきっかけにしてもらいたい」と地元横浜公演に意欲を燃やしている。
○…父は日本舞踊の師匠。物心つくころには稽古を始めていたが「しっくりこなくてやめた。役者になるならもっと続ければよかったよ」。浦島小学校から浦島丘中へ。「中2まではトップクラスの成績だった」が、反抗期に突入し一切勉強する気が無くなった。それでも恩師の勧める高校に合格。「学ランじゃないし、ラグビー部もない。自分の希望は配慮されていなかった」と豪快に笑う。
○…二輪車の免許を取ると、喫茶店やガソリンスタンドなどでバイトに明け暮れた。18歳の時、東映のオーディションに応募。幾多の選考をくぐり抜け、2万5千人の中から準主役級の「城東のテル」に抜擢された。「はまり役で何をやってもウケた。役者は天職だと思った」。その後、役者の道を究めようと養成所の門をたたくが、数年後に結婚。子どもが生まれプロの道をあきらめた。妻子を養うためサラリーマンに。手腕を買われ役員待遇で引き抜かれるなど順風満帆だったが、「役者魂」はくすぶり続けた。そして一念発起。子どもが大学生になるのを待って退社、再び役者として歩み始めた。
○…3年前、恩師から母校を舞台にした地域演劇への出演オファーがあった。「先生への恩返しのつもりでノーギャラで引き受けた」。翌年、演出を手掛けた舞台『手児奈』は県で最優秀賞を受賞。「礼儀が基本。物語の理解度や表現方法はその後だ」と演出に対する思いは人一倍だ。息抜きは仲間と六角橋や市場で飲むこと。「役者道に終わりはない。いつまでも追及していく」と言い切った。
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