菅田町在住の小杉波留夫さん(61)が主宰する横浜園芸研究所が、先月パシフィコ横浜で開催された国内最大級の園芸イベント「2016日本フラワー&ガーデンショウ」の第2回ガーデニングコンテストで金賞を受賞した。廃材を使った独自技法を生かした空間演出で会場をにぎわせた。
園芸のプロからアマチュアまで、3日間で約6万人が来場した同イベント。昨年に引き続き実施されたガーデニングコンテストでは、コンテナガーデン部門、ハンギングバスケット部門、ミニガーデン部門の3つに分かれ、園芸愛好家たちがガーデニング技術を披露した。小杉さん率いる研究所はメンバーの一人、飯塚勝志さんが営む飯塚園芸との合作でミニガーデン部門に応募した。
与えられたテーマは「五感で楽しむ」。小杉さんが昨年11月に編み出した「立方体植栽」を大胆に活用し、植物をピアノ線で吊るすことでまるで宇宙空間に浮かぶ惑星のような不思議な空間を演出。無機物(石やパイプ)と有機物(植物)の融合も表現した。
コストがかかるなどの理由から主に企業が応募する同部門。集まった5作品のうち銀賞は該当がなく、堂々の金賞受賞となった。小杉さんは「園芸は革新的なものが出にくい業界。独自技法の魅力が審査員の方々にも伝わったかな」と笑顔をみせる。
廃材使い華やかに
小杉さんの立方体植栽は、定期的に行う講習会のための話題作りとして生まれた。市場で仕入れた花苗が入ったプラスチックのカゴに、正方形の網目があることに着目。はさみで切りとって多面体になるよう組み合わせ、そこに土と植物を植えていくことで球体の作品を完成させた。菅田町の自宅兼研究所には、ペットボトルを再利用した壁一面の花がインパクトを放つ。「廃材を使った園芸でもゴミっぽく感じさせないのが大事」と話す。
小杉さんは小学生の頃から植物の虜となり、種を買っては育てていたという。その購入先であった「サカタのタネ」に入社。42年働いたのち、現在は嘱託スタッフとして桐畑のガーデンセンター横浜でガーデニングの講習会を開くのがライフワークとなっている。
定年退職をきっかけに、園芸に没頭できる場所として自宅地下を改装。そこを本部とする研究所は1年前に立ち上げた。飯塚さんら5人ほどがガーデニング技術の共有や情報交換をしている。「今は、唐の時代から続く中国の食用バラの魅力を広めようと取り組んでいるところ」
今回の受賞作品には、「植物を楽しむ場所を平面で考える必要はない」というメッセージが添えられていた。「形に縛られては面白くない。ガーデニングを純粋に楽しむのが一番」と話す。
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