青木第二自治会町内会連合会の会長として地域活動に取り組む 澤 兼一郎さん 鶴屋町在住 79歳
「和」重視のリーダー
○…青木第二地区社協と共催して9月11日、「物資運搬訓練」を行う連合会の会長。災害時に救援物資が地域防災拠点に届いたという想定のもと、運搬担当者が6自治会町内会を経由し、障害者や独居高齢者など約180世帯へ水や缶詰などを配布する。「東日本大震災をきっかけに始めた。いざという時の助け合いに役立てたい」。5回目となる今年は、無線機による情報交換も行う予定だ。
○…東京都出身。4人妹弟の長男。鉄道員だった父の転勤で中国へ。終戦を現地で迎え、日本へ引き揚げるまでに半年を要した。「大勢の日本人とともに貨物列車を乗り継ぎ、親戚の住む横浜を目指した」。青木小から栗田谷中へ。あたり一面焼け野原で、川には資材を積んだ小舟が並んでいた。「あっという間に横浜駅西口が開発されていった」と当時の様子を語る。
○…県商工へ進学。水泳部では「校内大会のエース」。珠算1級を取得し、高3時に自宅でそろばん塾を始めた。「多い時で20人。リンゴ箱を机代わりにしていた」。就職した会計事務所の仕事が多忙となり、6年で廃業。「いまだに、澤さんにそろばんを教えてもらったと言われる」と笑う。中小企業の帳簿チェックや税務申告の手伝いが主な仕事。「当時はパソコンが普及しておらず、そろばんが役に立った」。退職後、体重維持のために晩酌をやめた。「健康づくり」と称し、暇を見つけてはゴルフ場に足を運ぶ。
○…妻に支えられ、30年前に会計担当として町内活動をスタート。8年前から青木第二の連合会長に。今夏までの2期4年、区民協議会の代表委員も務めた。「舵取りは『和』を心がけている。リーダーシップがないから皆さんの力を借りている」と謙遜するが、連合では盆踊りやバス旅行、グランドゴルフなど、住人が集う機会を増やしてきた。「いずれは後進に道を譲らなくては」。言葉とは裏腹に、現役続行の意思が見て取れた。
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