第16回高校生ものづくりコンテスト関東大会(木材加工部門)が9月4日、日本工学院八王子専門学校で行われ、県立神奈川工業高校建設科3年の中里拓深さんが神奈川県勢で初めて優勝した。
中里さんが関東大会に駒を進めたのは2回目。昨年は21位と頂点には程遠い結果だった。「目標を高く持てば、夢は叶うんだ」。学校名と名前が読み上げられた瞬間、中里さんは立ち上がって観客席で見守る父親に両拳をあげた。
全国の高校生が「ものづくり」の技術を競うこの大会。電気工事など6部門が行われ、開催地枠やシードを含む1都6県から29人が出場した木材加工部門では、2時間30分で課題図に従って与えられた材料を加工し、組み立てて完成させるまでの作業と完成品が審査される。中里さんは持ち前の強心臓で淡々と作業を進め、制限時間に余裕をもって完成品を提出。しかし「(作業場となった)ステージの床が柔らかくて手こずった」と明かす。
毎年、県立前橋工業高校=群馬県=が上位独占するのが常だった。中里さんを指導する大西堅司教諭は「3位、2位と前橋工業高が続いて”今年も上位を固められた”と思ったが、優勝の発表で『かな…』と聞こえて」と、神奈川県勢初優勝の瞬間を振り返る。
全国の頂点めざす
中里さんの実家は茅ヶ崎市にある神輿店。同高には「校章が格好よかったから入学した」と茶目っ気たっぷりに語るが、ひとたび道具を握れば真剣そのもの。大西教諭の方針で練習以上に道具の手入れにも力を入れており、大会前日は自宅で深夜1時までノミを研いだという。
県大会前には、大西教諭と全国大会出場を目標に掲げていた中里さん。「苦しかったけど練習してよかった」と胸をなでおろす。北海道で開催される全国大会は11月12日・13日。関東ブロック代表として、全国から勝ち上がってきた9人と大臣賞(優勝)を争う。
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