連載寄稿 イルカ博士の生命感動日記 (最終回)㊿赤ちゃんを人間にする
毎日のように、幼い子どもを抱えたお母さんのストレスによる悲しい事故が報道されています。働くお母さんたちの多くは子育てに対する不安を持っています。 子どもを産み育てるということは、遠い昔の先祖から人間が置かれた環境の中でずっと行ってきたこと。保育園や学校の制度が無かった時代から、立派な大人に育てあげてきました。だから、難しいことではないはずです。なのに、子育てに悩んでいる事実があります。なぜでしょうか。
これまで本コーナーで生物から見た子育てについて紹介したように、主な原因は便利な世の中になったことだと思います。赤ちゃんは生まれたときには、霊長類ヒト科の動物として命を受けます。それ相応の保育環境が必要であり、それをもっていたからこそ、ヒトを人間に育てることができたわけです。
便利な情報化社会では、親が自分本位になって子どもの育て方がわからなくなっています。そして、自分の子どもを傷つける幼児虐待につながる危険性があります。どうすれば正常な保育環境を維持して、子どもをヒトから人間にすることができるか再度よく考えてみてください。
赤ちゃんはからだの生理的仕組みは生まれたときからできていますが、心の仕組みはまったく未熟です。
赤ちゃんの心は、人間脳といわれる大脳新皮質の神経回路ができ上がる3歳までの「しつけ」にかかっています。からだと心の仕組みは同じではないのです。そのためにはできるだけよい育児環境を提供して、自信をもって赤ちゃんを人間に育てましょう。
【日本ウエルネススポーツ大学特任教授・岩重慶一(問)iwashige@gmail.com】
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