10月で15周年を迎えた短歌の会「青海波(せいがいは)」を主宰する 能登谷 恵美子さん 高島台在住 77歳
三十一音でつづる日常
○…1300年前から受け継がれる五・七・五・七・七の形。短歌は「日常を三十一音で表現する言葉の遊び。昔の人は常套の手法だった」と説明する。一人ひとりの歌が青い海のように広大さを持ち、その時々で浮き沈みある波を覗かせる――。短歌の趣を表現した「青海波」は幸ケ谷コミュニティハウスを拠点に10歳から88歳まで幅広い年代の人が集う短歌の会だ。月に一度、考えた歌を持ち寄り、批評し合う。「年代、暮らしも違う会員が自由に感じた日常を歌にする。そこに壁はなく、言葉を遊ぶ贅沢な時間となる」と魅力に触れる。
〇…学生時代には自由詩に興味を持った。西脇順三郎氏の作品などは今も口ずさむことがある。出版社に身を置くなか、仲間から結社に招かれたことで短歌に出会った。日常を三十一音でまとめる。日々の暮らしを詠むなかで、手紙などにも短歌を添えるようになった。「何気ない日常を五・七・五・七・七で言葉にする楽しさを知った」と今も暮らしで感じる一喜一憂を詠んでいる。
〇…働くなかで出会った仲間たちと50歳のときに都内で出版社「ザ・ニュース」を立ち上げ、時事ニュースで英語を学ぶ月刊誌を発行した。「時代が早く難しい仕事だった」と振り返る。退職後は、「日常で綴ってきた短歌を仲間と詠む時間を大切にしたい」と「うたにあそぶ会青海波」を設立。特別顧問として親戚の歌人の小林峯夫さんが協力している。今では、色々な公募の場所で賞に輝くほどに成長した。
〇…高島台に住み30年。「海が近く、都内へのアクセスに惹かれた」と話す。フルート演奏や旅行、読書など趣味も多彩。その一つひとつの場面を記録するのは三十一音だ。「仲間と一緒に歩み15年。歌集は十三本目となる。これからも言葉を遊ぶ贅沢さを噛みしめたい」。結びに一首。”何気ないそこのシーンを歌にして思い出残す日々の贅沢”
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