直売のみで市場には出回らないため「幻のメロン」とも言われる区の特産「宮前メロン」。その生産者でJAセレサ川崎そ菜部宮前支部メロン部長を務める井上國夫さんが今月、福田紀彦川崎市長と小田嶋満宮前区長に収穫したばかりのメロンを届け、今年の出来を報告した。
宮前区の3戸の農家で年間約6000個が生産・販売されている宮前メロンだが、今年は2戸4000個の出荷となった。例年、6月の予約開始で7、8割が売れる。7月上旬からの直売は1週間もせずに完売してしまうほど人気。今年分もすでに完売している。
井上さんは「今年は春先の天候も良く、空梅雨で例年よりも大きく育った。甘味も乗って上々の出来」と話す。
生産者減が課題
1977年から有馬地区と野川地区でトマト栽培の裏作として栽培が始まったメロン。高津区との分区を機に「宮前メロン」と名付けられた。網目の美しさと上品な香り、甘味が特徴だ。
だが、温度と水、土壌の徹底管理が必要とされ、一本のつるに1個の果実しか結実させないなど、高度な技術が必要なことから生産者がなかなか増えないという課題がある。また、ハウス栽培のため新規で始めることが難しいという。
最盛期には区内7戸で年間約1万2000個生産されていたが、後継者不足により、現在は3戸まで減少した。井上さんは「他区の人や若い世代の人でも、やりたいと手を挙げてくれれば技術は惜しみなく伝えていきたい」と話した。
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