市政100周年も目前 市政報告Vol.13 文化財PRの場、創出に向けて 川崎市議会議員 矢沢たかお
前回に引き続き、市議会第2回定例会の一般質問からご報告させていただきます。今回は「川崎の文化財PR、愛着と誇りの持てるまちづくり」についてです。
文化財展開催困難な市民ミュージアム
影向寺を含む橘樹官衙遺跡群(たちばなかんがいせきぐん)が川崎市初の国史跡に指定されて2年が経過しました。橘樹官衙遺跡群の他にも川崎市には様々な文化財があります。しかし、これらの文化財を直接目にする機会が乏しいのが現状です。川崎市が誇る博物館と美術館の複合施設「川崎市民ミュージアム」=中原区=でも重要文化財を取り上げる企画展は、しばらく開催されていません。
貴重な文化財を取り扱うには、多額の費用やリスクが伴い、文化庁への公開手続きも非常に複雑とのこと。地方自治体がこれらを負担するのは難しいため、文化財展を開催するハードルが高いようです。
しかし、文化庁による「公開承認施設」という制度があり、市民ミュージアムも平成24年度までは公開承認施設でした。
承認施設は企画展における公開手続きが簡略化され、作品の応急修理費、作品の梱包・輸送費、出品者への謝金を国に申請ができます。市民ミュージアムは空調設備更新に係わる手続きの不備があり、平成24年度をもって公開承認施設から外れてしまったのです。
このまま、文化財を取り上げる機会がなくて、良いのでしょうか?
再び「公開承認施設」へ
一般質問で私がこの問題を取り上げた際、市の文化局長からは「文化庁の公開承認施設の承認を受けるためには重要文化財を適切に公開する展覧会を、5年間に3回以上開催することが、条件の1つになっている。今後、教育委員会や市民ミュージアム指定管理者と調整・検討していく」との答弁がありました。
市民ミュージアムでは過去に、市政70周年を記念した企画展「川崎の文化財展」が開かれました。慶應義塾大学所有の国宝秋草文壺(あきくさもんのつぼ)をはじめ、宮前区内からは影向寺の重要文化財である「木造薬師如来両脇士像(もくぞうやくしにょらいりょうきょうじぞう)」、市重要郷土資料である「初山の獅子舞の獅子頭」、白幡八幡大神(しらはたはちまんだいじん)に伝わる市需要習俗技芸「禰宜舞(ねぎまい)の神楽面(かぐらめん)」など有形文化財が展示され、民俗芸能の実演会も開催されました。
川崎市は7年後の2024年に市政100周年を迎えます。川崎が誇る文化財を市内外に知ってもらうためにも、「愛着と誇りのもてるまちづくり」のためにも、市民ミュージアム活用の提案を続けていきます。
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4月19日
4月12日