川崎市立野川中学校出身で、県立向の岡工業高校=多摩区=3年の吉野克(すぐる)君(18)が、大相撲・二子山部屋への入門を決めた。2月9日、二子山親方(元大関雅山)が同高校を訪れ、2人で固い握手を交わした。
向の岡工高から二子山部屋への入門は4人目。昨秋、同級生の許田直希君(18)が一足先に部屋入りし、11月場所でデビューしている。吉野君は「(許田君が)稽古はきついけど楽しいと言っていた。同級生の結果を超えられるように、負けたくない」と思いを吐露。高1のころから吉野君の相撲を見てきたという二子山親方は、「手足が長く背が高いのが第一印象。下半身を鍛え、しっかり土台をつくって上を目指してほしい」と激励した。
中2、勝利が自信に
市立南野川小から野川中に進み、柔道相撲部に入った吉野君。だが「上半身裸になるのがいやだった」と、当初は相撲を拒んでいた。同部顧問の五十嵐憲教諭は「最初の印象は体が大きくて明るい子。接してみると意外と気が弱いところがあった」と振り返る。
成長が見られたのは中2の秋。レギュラーの先輩が体調不良となり、2年生ながら大会決勝の舞台に立つと、白星をあげる活躍を見せた。「そこから自信をもって相撲をとるようになった」と五十嵐教諭。二子山部屋入門の知らせに、「まずはけがなくしっかり稽古に励んでほしい。幕内に昇進できるような関取に」と期待を寄せる。
「真面目」「やると決めたらやる」
野川中時代から稽古で通っていた向の岡工高では、1年の2月からレギュラーに。腰のけがもあったが、2年秋の県大会で無差別級優勝など力をつけてきた。活躍が期待された矢先、コロナ禍に。練習はままならず、目標のインターハイもなくなった。相撲部の清田英彦監督は「真面目な姿勢が結果を生んできた。3年で彼の成長を見られずに残念だが、まだまだ未完成な体。前に出る素質がある」と鼓舞する。
現在、身長183センチ、体重123キロの吉野君。埼玉県の同部屋入りを決めたのは昨年12月。父親の建設業を継ぐことも考える中、実際に稽古を見て決心した。母親の優子さん(41)は「心配だけど、やると決めたらやる子。努力を惜しまず頑張ってほしい」と思いを話す。
今月26日の新弟子検査を経て、デビューは5月場所予定。「親方のように強くなって、まずは大関。そして横綱に」。決意を胸に、まい進する。
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