"自然"回帰で野菜育てる 自然農法を実践 東有馬の織茂さん
顔の見える生産者から安心・安全の野菜が食べたいと、地元の直売所が人気を集めている。中でも東有馬の織茂耕治さん(48歳)は、農薬や化学肥料を使わない「自然農法」で作った野菜を直売。区内で本格的に自然農法を実践しているのは織茂さんだけとあって注目されている。
自然農法とは、化学肥料・農薬を使用せず、乳酸菌などの微生物で発酵させた自然堆肥で作物を育てていく農法。現在、織茂さんの畑ではトマトやきゅうり、枝豆、ほうれんそうなど、年間約30種類の野菜を育て、自宅前の直売所などで販売をしている。「お客さんのニーズに応えるために種類を増やす努力をしている」という直売所は、都内などから買い求めに来る人もいるという。
織茂さんが自然農法を始めたのは18年前。いずれは家業である農家を継ごうと、大学で農業用水の研究をし、サラリーマン経験を経て父親の下で農業を学び始めた。農業に携わって3年程経った平成5年、友人から「こんな育て方がある」と自然農法について書かれた本を紹介されたことだった。化学肥料を使わない農法に「本当にできるのか」と興味を持ち、既に自然農法を実践している農家を視察するなどしながら、自分でも少しずつ取り入れてきた。
農薬散布の回数が減り、害虫に悩まされた時期もあったが、以前から野菜を買ってくれるお客さんの「味変わったね。美味しい」という声を励みに工夫を重ねた。10年かけて軌道に乗せ、18年経った今では「年々味がよくなっていく」という。
平成6年に立ち上げた、自然農法の考えに賛同する区内の農家が集う「宮前クリーン農業研究会」では、今も年1・2回の視察や勉強会、企業の社員食堂から出る生ごみのリサイクル、近隣の小学校への農業体験や食育の授業も行っている。織茂さんは「食べ物に興味を持って、いろんな野菜の味比べしてみて」と話している。
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4月19日
4月12日