神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
宮前区版 公開:2011年8月5日 エリアトップへ

太陽電池普及に向け コストダウン研究始まる 地元企業、東工大と共同で

社会

公開:2011年8月5日

  • LINE
  • hatena
「社会貢献ができることが喜び」と同社プロジェクトリーダーの三田正弘さん
「社会貢献ができることが喜び」と同社プロジェクトリーダーの三田正弘さん

 区内宮崎に本社を置く(株)協同インターナショナル(池田謙伸代表取締役)と東京工業大学は川崎市の補助金を活用して太陽光発電池の新技術を開発する。開発するのは光を受け発電する装置に用いられる材料のハンダ接合技術。太陽光発電池のコストダウンができ、普及に弾みがつくという。

 現在、太陽光発電は自然エネルギーの中でもっとも普及が期待されている。しかし、装置の製造において壁になっているのが材料の価格が軒並み上昇していること。特に接合材のレアメタル(希少金属)の高騰は激しく、同社の調査によれば、装置に使うレアメタルのインジウムは3月上旬では1kgあたり5万2千円だったが、5月には6万9千円とおよそ50%上昇。今では「8万円もする」という。「現状では太陽光発電装置の普及は難しい」と今開発のプロジェクトリーダーを務める三田正弘さんは話す。

 同社と東工大が開発するハンダ接合技術はハンダ材のレアメタル含有量を減らしてコストを大幅に下げることがテーマ。現状の100%を1年後には50%にすることが目標だ。

 レアメタルは融ける温度が低く、加工しやすいためハンダ材に用いられる。返せばレアメタル含有量が下がることで、加工は難しくなる。東工大ではレアメタルに代わる加工しやすい素材の選定を、同社では、その接合材を使った新しい接合技術を開発するという。

 東工大の開発チームを指揮する総合理工学研究所の吉本護教授は「本助成研究で得られる結果は即、太陽電池のコスト低下に大きく貢献することが期待できる」と話す。

 三田さんは「代替エネルギーとして太陽光発電の普及は社会の大きなテーマ。普及促進のカギとなるレアメタル使用量削減は、容易なことではないが、実現させたい」と意気込みを語った。

 (株)協同インターナショナルは電子部品、機械、食品の3つの異なる業種を扱う地元企業。

 以前から東工大とは低コストで低消耗な太陽電池内部の接合技術の開発を行っていたが、市の「産学共同研究開発プロジェクト補助金」を知り応募、採用が決まった。

 市経済労働局では「震災後の省エネ対策、次世代エネルギー普及の観点から貢献度が高いと判断した。企業と大学、互いの長所を活かし役割分担ができているプロジェクトとしても高評価だった」と話す。

 産学協同研究開発プロジェクトは市内の中小企業社が大学等と連携し、新技術、新製品の開発・研究促進を目的としている。今年度は新規の交付が3社、継続の交付が4社となった。

 なお、今年度は東日本大震災を受け、省エネ・創エネ技術の開発促進するため、補正予算で補助金を増額。事業の拡大を図った。対象は単年度で開発経費の3分の2までとなっている。
 

宮前区版のトップニュース最新6

県庁で凱旋公演

インクルーシブ合唱団

県庁で凱旋公演

手話と歌で音楽表現

3月29日

災害時のトイレ、備えは

能登半島地震

災害時のトイレ、備えは

間もなく3カ月 啓発に力

3月29日

11年ぶり、全面刷新

川崎市ホームページ

11年ぶり、全面刷新

利便性、視認性を向上

3月22日

50年と未来を表現

川崎北高校

50年と未来を表現

記念ソングとロゴ作成

3月22日

「電子商品券」を導入へ

4月から

「電子商品券」を導入へ

 市、ふるさと納税の返礼品

3月15日

最優秀賞に西野川小

市PTA広報コンクール

最優秀賞に西野川小

紙とデジタルを駆使

3月15日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 3月22日0:00更新

  • 3月8日0:00更新

  • 2月23日0:00更新

宮前区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

宮前区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年3月30日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook