設立25年を迎えた「多摩川源流を訪ねる会」の代表を務める 三谷 益己(ますみ)さん 小台在住 71歳
源流知る喜び伝えたい
○…年に1度、奥秩父の笠取山内の水干(みずひ)と呼ばれる水源を訪れる「多摩川の源流を訪ねる会」の発起人。「気づいたら25年が経っていた」と感慨深げ。「ここまで続けてこられたのは多摩川の源流が持つ神秘性」と分析する。「湧き水が源流となることが多い中、多摩川は1滴1滴、ポツンポツンと水が落ちてくる。まさに大河の1滴といった感じで、この光景を見た人はみんな感動します」
○…きっかけは1枚の地図だった。「奥多摩が多摩川の源流と思いがち。実際はさらに奥の水源林が源流だった」。好奇心から見に行こうとなった。現地の人からは当初、物見遊山と思われた。しかし、回を重ねるごとに交流は深まり、いつしか酒を酌み交わすほどになった。「水源を見られることも嬉しいが、現地の人との交流も楽しみのひとつ」。水源林100周年記念時には皇族を招いたことも。「親交のあった三笠宮家の寛仁様をお招きできたことは生涯の思い出」と振り返る。
○…浦和市生まれ横浜市育ち。小さなころから歩くことが好きだった。「理由はいまだにわからないけど、歩くといつも新しい発見がある。もう、中毒だよね」と笑う。会社員時代は丹沢や北アルプスなど数多くの山々を登った。宮前区には30年ほど前に移り住んできた。現在は妻と二人暮らし。最近、初孫に恵まれた。「可愛くてね。いつか一緒に散歩できたら嬉しいな」と相好を崩した。
○…会員の高齢化が課題。「会の運営を次世代へと引き継いでいくことが自分の役割」と心に決めている。「多摩川の源流は今も私たちに感動をもたらしてくれる。私たちも、一人でも多くの若者にこの感動を伝え、源流域を守っていきたい」と情熱を燃やす。今いちばんやりたいことは宮前区民と一緒に歩くこと。「宮前区にはお世話になった。これからは、僕から恩返しをしていけたら」。一歩一歩、前進する姿が印象的だ。
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4月19日
4月12日