川崎市の高校奨学金が2014年度から見直される。採用枠は現行の350人から630人程度まで増やす。一方、支給額は実質減額。年間一律123500円の支給から学年ごとに設定した月額支給額に必要な費用を足した額を給付する仕組みとなる。
今回の見直しは経済的な理由で小中学校への通学に困窮している世帯の増加に対して、高校奨学金の採用者枠が市内在住の高校生のおよそ1%にとどまっていることなどを背景に行われた。
事実、過去5年の申請者の推移をみると08年度で986人、09年度1032人、10年度1196人、11年度1141人と続き、2012年度では過去最高の1277人。倍率は3・65となっている。
ただし、財源は限られていることから、現行の年間一律123500円(4月19000円、以降月額9500円)から減額。公立では年額81000円から46000円、私立では130000円から70000円と定めた(表)。
給付額の算定基準は文科省で実施した「子どもの学習費調査」を元に行われた。年収350万円未満の世帯の公私立、学年ごとの学習費の不足額に対する現行の給付額の比率を算出、最も低い割合となった私立1学年(521603円)の比率0・24を下回らないことを前提に、国や県の高校授業料無償化施策による経済的な負担軽減も加味して決定した。
その他今回の見直しでは、入学時に準備金が受け取れる予約採用、保護者死亡や被災など不測の事態を想定した通年の緊急採用の実施、今まで抽象的だった申請基準の明確化や2年目以降の審査の簡略化、高校入学前の資金計画の参考として策定した採用基準の公表が行われる。
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