山あり谷ありの山岳コースを走る競技「トレイルラン」の大会が8日、沖縄県国頭村森林公園を会場に開かれ、大人も参加する最も距離の長い19Kmの女子の部でサギヌマスイミングクラブに通う10歳の「女の子」渡部春雅さん(横浜市港北区在住)が優勝した。
今大会を「ジャングルのようなコースだった」と振り返る春雅さん。岩の上の苔に足を取られながらも快走し2時間7分33秒でゴールした。男子優勝は実業団に所属しフルマラソンにも出場している選手。タイム1時間45分7秒で、その差はたったの22分だった。
しかし春雅さんは「男子に22分も差をつけられて悔しい」と話した。
春雅さんがトレイルランを始めたのは9歳のころ。スポーツが好きで様々な種目にチャレンジするトレーニングの一環でロードレースに挑戦していた時、福島県で行われたゲレンデを走り登る「逆走マラソン」に出会った。初めてのトレイルランにもかかわらず、大人たちを制して優勝。「景色が良くて楽しい」とトレイルランの魅力にはまった。時には走っている最中に「サルを見た」など思わぬ自然との出会いも楽しみの1つ。過酷なレースにもかかわらず「苦しいと思ったことはない。楽しむことを大事にしている」春雅さんははにかみながら話してくれた。
スーパーキッズぶりは今回だけではない。昨年11月に開催された新潟県の上越国際スキー場の「トレイルフェス」では大人に混じり35Kmの部に出場。3時間35分で走りぬき、女子で総合優勝。1月26日に石川県で開催された雪の上を専用の西洋かんじきで走る「全日本スノーシューイング白山大会」でも一般の部で雪の15Kmを走破、女子総合優勝を果たした。
トレイルランナーとしての目標は世界最高峰と言われるヨーロッパアルプスの「モンブランでの優勝」だ。
夢は五輪選手
春雅さんは五輪選手になることを夢に掲げている。しかし、現在トレイルランは五輪種目になっていない。
春雅さんは五輪種目にあるトライアスロンや最近ではマウンテンバイクなども始めている。地元サギヌマスイミングクラブへの入会はトライアスロンのためだ。さらに、埼玉県で進めている未来の五輪選手を育てる「彩の国プラチナキッズ」にも選ばれ、乗馬やライフル、アーチェリーなどにも挑戦している。
周囲からは「そろそろ種目を絞っても」と声がかかる。しかし母の佐和子さんは「自然に決まる時がくる。それまでは好きなことをやらせていきたい」と話す。佐和子さんは春雅さんが参加するレースに同行している。その回数は月に最低5レース。開催地は全国だ。「これからも2人で楽しむことを第一に頑張っていきたい」と佐和子さん。春雅さんは「色々な人が応援してくれるアスリートになりたい」と話してくれた。
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