4月1日付で区長に就任した 野本 紀子さん 中原区在住 57歳
違いが和音(ハーモニー)を生む街に
○…「地域の方々のご尽力でできている美しい土地に着任できて幸せ」と穏やかにほほ笑む。就任後の挨拶まわりで、先ごろまで満開だった街を彩る桜並木や区内随所に咲く花々を区民自らが生活を豊かにしようと育てていることを知った。「いい気風と風土がある」と実感。「お仲間になれて嬉しい」とも。区役所は区民に一番近い行政窓口。区民とともに進める街づくりを楽しみにしている。
○…1979年に入庁。市と市民を結ぶ市民情報室、地域の歴史文化を育む市民文化室や生涯学習部、市と国のパイプ役となる東京事務所などでキャリアを重ねてきた。一番心に残る仕事は人事委員会事務局で手掛けた民間経験者の登用。公務員は生え抜きという役所の中で民間の価値観を持った人材を確保する仕組みを作った。「公共の政策を作っていく行政こそ多様性が必要と考えていた」。その多様性を促す仕事ができたことは大きな達成感。「勿論、その後の運用も大切」と手堅さも忘れない。
○…川崎生まれの川崎育ち。落ち着いた佇まいが印象的だが、子どもの頃は外遊び、中学ではハンドボール、高校、大学ではバスケットボールと活動的な一面も持つ。趣味は遺跡や美術館巡りと、「実は乗り鉄」と小さな告白。長期休暇になると全国の普通列車が1日乗り放題となる青春18きっぷを手に鈍行列車に揺れる旅にでる。1月には愛知県の豊橋市を経由しぐるり1周。「景色を見ながらただぼーと乗っているだけで楽しい」とはにかんだ。
○…好きな言葉は「違いが豊かさとして響きあう」。行政は年代や立場の違う人々の合意形成を促し、社会を築くシステムだと考えている。女性が長く働ける場として入った行政の世界だが、今では「天職になりましたね」と言えるようになった。「豊かなハーモニーを奏でられる地域社会をめざして、微力を尽くしていきたいと思っています」と決意の表情を見せた。
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3月22日