今年10周年を迎えたボランティア団体「野川はあも」の代表を務める 伊藤 菊代さん 有馬在住 51歳
「宮前の自然を守りたい」
○…およそ9000平方メートルの傾斜地にクヌギやコナラが生い茂る南野川ふれあいの森の整備や保護活動をおこなうボランティア団体『野川はあも』が今年、10周年を迎えた。当時、荒れるにまかせられた森をなんとかしたいと有志6人から始まった同団体は、今では大人から子どもまで総勢48人が参加する大所帯となった。「こんなに身近なところに素敵な自然があることをもっとたくさんの人に知ってもらいたい」そんな想いで10年間活動を続けてきた。
○…区内全域から参加者が集まる同団体では初対面のメンバーも多いという。「違う学校の子ども同士も交流できる場。ここでしかない出会いも魅力」。当初は活動メンバー集めに苦労したという。小学校と連携して総合学習の講師を務めたり、一般参加も可能な「夜の観察会」などのイベントを仕掛けたり、様々な活動で地元とのつながりを深め、仲間を増やしてきた。「今では口コミで来てくれる人も増え、地域に根付いてきた」と嬉しそうに話した。
○…有馬生まれの有馬育ち。造園業を営む実家で木に囲まれて育った。「当時は田んぼと畑、山しかない田舎町だった」と振り返る。農業大学造園学科を卒業後、目黒区役所公園緑地課緑化係として保存樹木の管理や自然観察教室など、イベントの企画に携わった。この経験が「現在の活動の基盤」と話す。36歳のときには樹木医の資格を取得。現在は「川崎市まちの樹50選」にも選ばれる樹木の診断や治療も行う。「形も良く立派な樹がたくさんある。そんな樹木を大切に、長く残していきたい」
○…10周年の節目を「長い年月の中で変化していく自然に比べれば野川はあもの活動はまだまだこれから」と通過点だという。「今参加している子どもたちが一度離れても結婚して家族をつれて戻ってくる、そんな息の長い活動を続けていきたい」と話す。「森をじっくり育むように野川はあもをじっくり育てていきたい」
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4月19日
4月12日