川崎市は、災害時に建築物の倒壊により道路を閉塞し緊急車両等の通行の障害となる沿道建築物の改善を図ることを目的とした、「沿道建築物の耐震診断を義務化する道路の指定」(案)について、市民の意見を募集している。
東日本大震災をうけ、2013年11月に「建築物の耐震改修の促進に関する法律」が改正・施行された。
同法では、建築物の倒壊により道路を塞ぎ、緊急車両等の通行の障害となる可能性のある沿道建築物について、改善を図ることを目的に、重要な道路を指定。指定した道路に影響を及ぼすことが予想される建築物について耐震診断を義務付ける。
これに伴い、今回川崎市は、耐震診断を義務化する道路を指定。建築物の耐震化を図る。
指定された道路は、緊急交通路14路線と、第1次緊急輸送道路17路線(表参照)。
市は、前者については、地域防災計画において災害時に迅速、かつ円滑に避難・救急活動を行うため、初動段階で緊急車両の通行確保が必要な道路とし、後者については避難者への緊急物資等を届けるために、他県市からの物資を輸送するための広域ネットワークを有する道路で、かつ市域内における重要な防災・物流拠点や災害対策本部等を結ぶ道路とし、いずれも庁内の政策調整会議の中で検討し指定したとしている。
耐震診断の費用は自治体が負担
耐震診断の対象となる建築物は、耐震改修促進法に基づき、1981年5月31日以前の旧耐震基準で建てられた物件で、立地する前面道路の幅員が12メートル以下と12メートル超に分けられ、以下の場合は高さ6メートルを超える建築物、超の場合は、その幅員の2分の1を超える建物が対象となる。
該当する建物の所有者は、「市耐震改修促進計画」の改定にあわせ、2019年3月31日までに耐震診断を行い、市に報告しなければならない。もし、当該建築物を所有しているにもかかわらず耐震診断を実施しなかった場合は、自治体はその旨を公表し、また、法律上の罰則もある。しかし、市は現段階では公表の仕方や罰則の運用についてもどのようにするか検討中としている。
耐震診断が義務化される建築物の所有者に対しては、診断に要する費用を自治体が負担することを同法で定めており、市は所有者に負担のない新たな制度を創設し今年9月1日から運用する予定にしている(構造等によっては自己負担が生じる場合あり)。また、改修する場合の費用については、こちらも法律に基づき一部助成を行う。
市では現状当該物件が市内にどのくらいあるのかを調査中で、5月末くらいには把握したいとしている。
義務化する道路の指定について意見
現在市では、今回打ち出した道路指定について、市民からの意見(パブリックコメント)を募っている。受付けは4月17日(金)まで。詳しい資料は、市ホームページのほか、区役所市政資料コーナー等で閲覧できる。
詳細は、市企画課【電話】044・200・2715へ。
宮前区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>