川崎北税務署の署長を務める 深津 考司さん 逗子市在住 60歳
「聞き上手」で信頼構築
○…今年7月から川崎北税務署(高津区久本)の署長を務めている。法改正も多く、複雑になりがちな納税。間違いのない申告をしてもらうために、相談しやすい「開かれた」雰囲気作りに注力する。「申告の際に不安がなくなるよう、きちんと説明させていただく。税務署を身近に感じてもらえれば」。今年はマイナンバー制度を活用する確定申告がスタートするほか、インターネットによる申告システム「e―Tax」の普及など、時代に合った対応も求められる。「この地域は人口も増加している分、申告件数も多い。窓口対応などスムーズにできるようにしていきたい」
○…国税業務一筋で、そのうち30年以上は調査事務に従事。様々な業種の経営者と関わったが、親しみを持って相手の話を聞くことに徹した。話を丸2日も聞いて打ち解け合い、「調査に来てもらえて良かった」と声をかけられることもあったという。「経営者はなかなか弱音を吐けないもの。苦しみを吐く場を作って、心を開いてもらうことが大切」。長年「聞き上手」として、間接的に相手の人生を支えてきた。
○…職員は201人と大所帯だが「気負うことはない」と落ち着いた様子。「組織は形であり、それを動かすのは人」と、職員一人一人の働きぶりに期待を寄せる。「一つのものを一つの目から見てもダメ。それぞれの個性を大切にしつつ、互いに意見を出し合って『どうあるべきか』を考えないといけない」。署内でも職員の意見を積極的に聞いていく姿勢だ。
○…仕事柄、転勤が多かったが、現在は逗子市に暮らす。休日は妻と一緒に映画鑑賞などを楽しんで過ごす。家にある食材だけで創作料理を作ることも得意で、「おいしいと妻からも好評。お金もかからないし」と笑う。「家族は最小の社会単位だから大切にしないと」。人との触れ合いを大切にする心は、どんな時も忘れない。
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3月22日