後期高齢者になる年齢を目前に控え、今年4月から田園調布学園大学の大学院へ通う女性が区内平にいる。西村颯香さん(74)だ。実は10年前も大学に通う「女子大生」だったという西村さん。このパワーの源はどこにあるのだろうか。
西村さんは23年前に夫が交通事故に遭い、以降8年間にわたり介護生活を送った。この介護の経験を役立てたいとボランティア活動を始めたが、自身のこれまでの経験だけでは十分にケアができないと福祉の難しさや奥深さを知った。
世代間交流が刺激に
そこで、より福祉への理解を深めたいと福祉専門学校へ入学。数十年ぶりに学校へ通い、福祉の勉強や若い学生たちと交流を深める中で学ぶことの楽しさに気づいたという。
2年間の履修を終えて、さらに勉強がしたいと田園調布学園大学へ編入。 卒業後もさまざまな年代と交流を深めるなかで高齢者と子どもの関係について関心を持つように。「勉強したい欲求があるのに、どうして進学しないのか」。同大学院の院生の言葉に背中を押され、大学院への進学を決めた。
地域活動にも意欲的
また、自身の勉学だけでなく地域活動にも精力的だ。民生委員や児童委員、こんにちは赤ちゃん訪問員など社会貢献活動を行う。 高齢者のために家庭的な雰囲気でおしゃべりができる場所を作りたいと2007年には自宅で高齢者ミニデイサービス「ふれあいサロン・さつか」を設立した。同サロンでは週1回地域の高齢者が集まり一緒に脳トレや昼食の提供、日用品の買い出しなどを行っている。
「勉強を始めるのに遅すぎるということはない。今まで学んできたことと、これから学ぶことを合わせて地域の人のために役立てたい。サロンも続けながら、いつか世代間交流ができる場所にできたら嬉しい」と西村さん。
大学院ではこれまで学んできた経験をもとに、子どもにも焦点を当て「子どもにとっても高齢者とふれ合うメリットはあるのか」をテーマに研究に励んでいく。
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