市立宮前平中学校(山本浩之校長)で先月20日と21日、「認知症サポーター養成講座」が行われ、3年生約400人の新しいサポーターが誕生した。主催した宮前第二地区社会福祉協議会の老門泰三(おいかどたいぞう)会長は「今後も中学生をはじめ、より多くの方に協力を呼び掛けていく」と話す。
「認知症サポーター」は認知症を正しく理解し、認知症の人や家族を見守る支援者として活動する人。養成講座を受講することでサポーターとして認定される。現在、国では「認知症サポーター100万人キャラバン」として全国での普及に取組んでいる。川崎市内では約3万5000人のサポーターが活動している(昨年9月末現在)。
今回の講座は同協議会の呼び掛けに同中学校が応じて実現した。同協議会による中学校での講座開催は初めて。地元に生活基盤があり、地域で過ごす時間が長い中学生は大人と同様に見守り役として力強い存在になり得るとして中学校での開催を考えていた。「家庭内はもちろん地域においても支援の一翼を担ってもらいたい。見守り役として意識を高めてほしい」と話す。
講座では認知症の基礎やサポーターの役割を学び、認知症家族の講演、対応事例ビデオの視聴をした後、グループに分かれて事例に対しての対応を生徒自ら考えた。ゴミの出し方が分からない人への対応では「優しく声を掛け、必要に応じて出し方を紙に書いて渡す」、買い物で支払い方法が分からない人には「一緒にゆっくりお金を数えてあげる」など、相手に寄り添った意見が多く挙げられた。
参加した生徒は「勉強になった。地域で困っている人がいたら積極的に声をかけたい」と話した。また、講師として参加したかわさき記念病院認知症家族会の岩田信行会長は「頼もしい意見がたくさんあった。これだけ多くの素晴らしい子どもたちが地域にいるのは安心」と話した。
なお、同協議会では、「地域包括ケアシステム」の推進に伴い、「認知症の人が住み慣れたまちで生活を続ける支援を進めよう」と区内のコミュニティカフェ等での講座開催に加え、小学生向け研修を行う等、着実に支援者を増やしている。
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