川崎らしい都市農業の形をめざし様々な取組みを進めている『JAセレサ川崎』。今年で創立20周年を迎えるにあたり、今後の事業や抱負などについて、代表理事組合長の原修一氏に話を聞いた。
―昨年6月に組合長に就任してもうすぐ1年となりますが、振り返っていかがでしょうか
原「昨年は、協同組合がユネスコの〈無形文化遺産〉に登録され、我々JAとしてもその存在意義や重要性を改めて感じました。その中で、高津区久末地区で行われてきた独自の農産物品評会が100回を数え、内閣総理大臣感謝状はじめ、農林水産大臣、県知事、市長から表彰状を頂きました。また、今年で99回目となるJA花卉部馬絹支部による花の供養祭、自然災害にも負けず、宮前メロン、多摩川梨、パンジー、はなももなどを育てる栽培農家など、市内農家の技術力の高さ、伝統、魅力などを再認識しました。今後も、より多くの農家に足を運んで話を聞き、都市農業の更なる発展に努めていきたいと思います」
―JAセレサ川崎となり今年で20周年になりますが、抱負をお聞かせ下さい
原「1997年に、市内の4つの農協が合併し20年という節目の年。厳しい金利政策への対応や農協の自己改革などを念頭に置きながらも、前向きなステージとしたい。その記念事業の一つとして、〈田んぼアート〉を検討しています。色の違う稲を植えたりして絵を完成させる催しで、子どもたちにも参加してもらい楽しく農業に触れてもらいたいですね。その他、9月には感謝の集い、11月には農業まつりを開催し、記念の年を盛り上げていく予定です」
―今年度、重点的に取り組みたいことは
原「市内産農産物〈かわさきそだち〉のブランドを今まで以上高めていくとともに、12月から完全実施される中学校給食の食材にも多く供給していけるよう生産者と相談・協力していきたい。それには、安全・安心な農産物を消費者に届けるための農業生産工程管理(GAP)の認証を進めなければならない。先日、小泉進次郎自民党農林部会長が、セレサ研修会の場で、東京五輪での食材提供などを見据えGAP認証の必要性を述べました。GAP認証の取得は容易ではありませんが、セレサ川崎としてはまず生産者の栽培履歴管理をしっかりと行い、その延長として行政とも連携しながら独自のGAP認証制度を普及させ、農業者の所得増大や農業生産の拡大に繋げていきたいと思います」
―これからの都市農業の在り方とは
原「GAP認証の普及と同時に、少量・多品目栽培を行う都市農業においては、産官学商などとの連携も必要だと考えています。コラボなどによる新たな戦略で、新しい価値を見出せるかもしれない。また昨年は、セレサアグリコ(株)という子会社を設立し、なかなか休日が取れない農家などの代行業務を請負いました。さらに、この4月からは市民に農園を体験してもらう〈あぐりっこ農園〉という企画も立ち上げる予定です。道具や肥料などは全てこちらで用意し、市民の方には手ぶらで来園してもらい、プロが農業の楽しさを教えるもので、ご家族や仲間同士で参加してもらいたいですね」
―そのほか市民に伝えたいことはありますか
原「セレサ川崎はこれまで地域とともに歩んできて、今後も地域と連携した都市農業を振興していきたいと考えています。また、10年継続してきた小学1年生へのランドセルカバーの贈呈や「緑のカーテン」(ゴーヤ苗の配布)など、地域貢献にも積極的に取り組みながら、市民に身近なJAセレサ川崎で在り続けたいと思います」
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