民生委員制度が創設されて今年で100周年を迎える。そこで宮前区民生委員児童委員協議会会長の老門聰子(おいかどとしこ)さん(76)に区内の民生委員を取り巻く状況、民生委員の活動などについて聞いた。
民生委員制度の起源は、1918年(大正7年)に大阪府で始まった低所得者層の救済などを目的とする「方面委員制度」。
今年は制度創立から100周年を迎える年だ。しかし、その認知度は低下していると老門さんは言う。「訪問先のマンションで管理人さんに『民生委員です』と言っても分かってもらえず、マンションに入れないケースもあって悲しい思いをしたこともあります」。核家族化、マンションの増加、コミュニティの希薄化などがその背景にあるという。
民生委員とは、どのような存在なのか。高齢者介護、子育て、青少年関係に携わる人…。このような漠然としたイメージを持っている人が多い。そのイメージは間違っていないのだとか。「簡単に言うと地域の見守り役」と老門さん。対象は全年齢。困っている人の相談に乗り、適切に支援できる機関を紹介する「つなぐ役割」を担う。老門さんは「守秘義務があり、秘密は必ず守るので、気軽に相談してもらえたら」と話す。
民生委員は地域から推薦を受けて選出され、厚生労働大臣から委嘱されて活動している。給与は支給されないボランティア活動だ。任期は3年、現在区内で206人の民生委員が活動。地域のことに詳しく、身近な存在であることが望ましいことから、「地区割りで1人」を選出している。全国的に民生委員のなり手不足といわれており、区内も南平地区、犬蔵地区などで欠員状態にあるという。
「地域で困っている人に手を差し伸べるのが主な仕事。地域のSOSに敏感に反応することが大切」と老門さん。老門さんは地域の会合などに積極的に顔を出し、情報収集に努めている。
困っている人はどのように民生委員に連絡を取れば良いのだろうか。困っていない時は必要ないが「いざ」という時に必要な存在となるのが民生委員。地域の回覧版で民生委員の紹介をすることもあるが、役所でも紹介してもらえるという。
5月9日〜12日には宮前区役所2階ロビーでPR活動が行われる。宮前区社協も「自分の地域の『民生委員さん』を知るためにもぜひ来場を」と呼びかける。
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